【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『本屋の新井』と『ゴロウ・デラックス』

2018年12月6日放送の『ゴロウ・デラックス』第324回目のゲストは、カリスマ書店として有名な新井見枝香さん(38歳)

というわけで今回の『ゴロウ・デラックス』は、本の街・神保町のランドマーク的存在で、1階から6階で書籍を取り扱っている大型書店である閉店後の三省堂書店 神保町本店へと入っていきます。新井さんは書店員として自身が愛する本を特徴的な方法で紹介するとたちまち売上が伸びることから出版界から注目の人物に。

今年本屋大賞を受賞した辻村深月さんや直木賞作家の道尾秀介さん、コラムニストのジェーン・スーさんなど多くの作家からも絶大な信頼を寄せられているのです。そして自らも執筆をしており、今回の課題図書となるのが、

 

本屋の新井

本屋の新井

 

 

書店員から見た本屋の日常やウラ話が綴られた一冊。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 新井流テクニック

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一番売れるのは右端なので、売りたい本は斜め置きで右端に置くそうです。また動きをつけないとどこから触っていいのかがわからないため、あえて平置きの本は冊数を変えて段差をつけて置くそうです。例えば2冊しか置いていなければ、"もう2冊しかない。すごい売れてるんだ"と買っていく人も多いのだとか。

吾郎:わかる、わかる。Amazonとかでさ、ワイン買うとき残り1本だと買っちゃうやつ。で、買うとさ、次の日見てみるとさ、残り5本になってる)

他にも旧ブックカバーが在庫として余っていたため、お店限定の付加価値をつけるためあえてこの旧ブックカバーをつけて売ったり、触りたくなるようなPOPを作ったり、 

 

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こういう話ですよと文字で書くよりは、一目で足袋の話なのがわかるわけです。またその隣には【闇】体験BOXがあり、その中から本を取り出すと出てきたのは、

 

闇に香る嘘 (講談社文庫)

闇に香る嘘 (講談社文庫)

 

 

主人公は盲目で、暗闇の中を手探りで犯人を捜す内容なので、それをイメージした仕掛けをわざと作って読者にも体験してもらうのだとか。いかにして本屋に来て、遊んで帰ってもらうのかが大事で、実際、この仕掛けでかなり売れたそうです。

こうしてどうすれば本を手に取ってもらえるかを考え、独自の工夫をする新井さん。2001年に文庫化した恩田陸さんの『三月は深き紅の淵を』ではタイトルにある紅い本をイメージしたPOPを作り、10ヶ月で500冊以上の売り上げを記録。

 

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大活躍の新井さんだが、こうした工夫は売上のためだけにやっているのではないという。書店員としての思いが描かれた部分を吾郎さんが朗読。

 

吾郎「この本は、出版業界唯一の専門紙「新文化」の連載をまとめたものである。
現役書店員によるコラムは、ネタが尽きることもなく100回以上続いている。
その間にたくさんの書店がなくなり、多くの仲間が業界を離れていった。
それでも、書くことで何かを変えたいとかいう気持ちは未だに湧いてこない。
本屋で働くことに、特別な意味を見いだせていないし、無理に続ける気もないのだ。
苦境に立たされつつも、本を愛する健気な書店員をお求めなら、それは人違いである、と今から断っておく。
シャンプーに「リンスではありません」と表示するくらい親切だな

『本屋の新井』より一部抜粋

 

新井さんを突き動かしているのはお金ではなく、本に対する愛情。こうした工夫は2007年、27歳の本屋でアルバイトを始め、POP作りに携わってからまったく変わっていないのだそうで。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 飾るたびに話題になっていた手作りPOP 

その手をにぎりたい (小学館文庫)

その手をにぎりたい (小学館文庫)

 

 

銀座の鮨の名店に魅了され、その常連になるべく奮闘するOL青子の物語ということもあり、そのお店では職人の手から手に寿司を渡すのでそれが素敵だなと思った新井さんは、(手を)握ると(寿司を)握るをかけ、マニキュアを塗る練習用の手を買ってきて貼り付け、そこに中トロを握る形のPOPを作成したのです。

 

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

 

 

主人公の倉田太一が電車で男性を注意したことから、自宅が様々な嫌がらせを受けるようになる物語で、本を読んでストーカーに家を突き止められる恐怖を出そうと新井さんはPOPにインターホンを取り付けるという斬新なアイデアを。その結果、POPを見た人たちがピンポンとインターホンを押していくのを見て喜んでいた新井さん。

しかし、実は超面倒くさいと工作は苦手なのだとか。それでもこの本を売るためにはこの方法しかないと頑張ったわけです。実際、POPをつけることによって売上は5倍、10倍と跳ねることもあるのです。

そして31歳で仕事が認められ、2011年には契約社員に昇格したとき、本を売るため、一人で新たな企画を立ち上げるのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 作家との貴重な話が聞ける!? 新井ナイト

閉店後の書店で新井さんと作家さんで繰り広げられるトークの新井ナイトは、これまでもジェーン・スーさん、道尾秀介さんなどが参加。作家の本音が聞けると人気の新井ナイトは、これまでも多くの作家さんたちが出演し、300回以上開催されているのです。実際に2016年、『サーモン・キャッチャー 』で新井ナイトに参加した道尾秀介さんに話を聞くと、

 

道尾秀介さん】 

道尾「出版業界がだんだん傾いていると言われていますけれども、その中で新井さんがその難病の子どもを救う医師にいつも見えております。助けられております。いつもありがとうございます」

Q.新井さんとの出会いは?
道尾「相当知れ渡ってて、名物書店員さんの中の1人ってかなり本を売るのに面白いことをやってくれてるよって名前は聞いたことありました。人とちょっと違うんですよ、やることが」

Q.新井ナイトを開催したきっかけは?
道尾「新井ナイトをやると本が面白い売れ方をするとか、お客さんがとにかく喜ぶということを聞いたことがあって、"サーモン・キャッチャー"という本を2年ぐらい前に出したときに、こんなことやりましょうかってなったんです。新井ナイトの会場に行くのに、本の売り場を通るとそしたら大きな鮭がこの棚の上にいるわけですよ。遠くからでも見えるPOPってなかなかないですからね。サイズと鮭のリアルさに驚きましたね。書店に鮭がいるってみんな足止めますからね」

 

 実際に新井ナイトをした道尾さんは新井さんとの対談ということで油断をしていたらしく、本と関係のない話が大半になってしまうのですがお客さんも"あんな道尾さん見たことない"と喜んで、いかに崩すかにあるそうです。本への思いなどはインタビューに載っているので、新井さんはそういうのは一切聞かず、「昨日、何食べましたか?」ぐらいの話から始めるのだとか。

会社もダメって言わないのですねと尋ねる外山さんに、言われる前に決めちゃうのだそうで、やっちゃってから結果を出すのが新井流なのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 勝手に立ち上げた新井賞

2013年の33歳で正社員として三省堂に入社、翌年には自身の名前を冠した「新井賞」を設立します。
芥川賞直木賞は毎回候補作が発表され、新井さんも読むのですが、発表されたときに自分が良いと思っていなかった作品が受賞することもあって、もちろん本屋としてはそれを前面に出して、取れなかった候補作は全部返品するのですが、それはおかしくないか?と。自分はこれがいいと思ったのに、なぜ下げなければいけないのか?と思ったところから、「新井賞」という帯を巻いて、芥川賞直木賞の間に試しに置いてみたところ、 なぜか「新井賞」が一番売れるという結果にw

 

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実はこれも会社には内緒で勝手にやった賞なのですが、毎回楽しみにしている方もいらっしゃるそうで、ちなみにこれまで受賞した8作品がこちら。

 

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帯は毎回、新井さんが手作りしているそうで、帯の裏側には作品に対する一言のコメントも書かれているのだとか(版元さんには黙ってやっているそうです)

2015年「朝が来る」で第3回新井賞を受賞した辻村深月さんにも話を聞いてみると、

 

辻村深月さん】 

辻村「すごく信頼できる書店員さんだなあと思っています」

Q.新井賞受賞はどうやって知った?
辻村文藝春秋さんの担当さんから連絡をもらったんですけど、それまでも新井賞をされているのは知ってたんですけど、"あ、選んでくれるんだ"と思ってものすごく嬉しかったのと、新井賞の発表って直木賞芥川賞と同じ日にあるんで、自分はノミネートされた年ではなかったんですけど、そのお祭りの日に自分の思いがけないプレゼントとお祭りに参加させてもらったような感じがして、ものすごく嬉しかったです。新井ナイトいつでも行きますので、お誘いお待ちしております」

 

毎日、本を買って帰るという新井さん。自宅にはどんな本があるのかというと、

 

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この本棚に乗らなくなったら床置きにし、読んだ本は処分し、ジャンルごとに整理している新井さんですが、

 

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

 

 

気に入った本はたびたび読み返すので割と上のほうにあるのですが、気づけば1~3巻はあるものの、4巻がなかったり。その4巻を探してさらにミックスされたり、出てくる本を読んだりと意外に雑w 基本的に読み返す本というのは本当のごく一部なので、それ以外はザクザク捨てていくのだそうです。

ここで書店員の日常が描かれた部分を外山さんが朗読。

 

外山閉店時間は10時だが、早番は6時台に出勤することもある。
4時間も何をするのかといえば、朝の光が差す静かな店内で、担当ジャンルの新刊を精読している。
これを書店用語では「検品」と言い、品質保持だけでなく商品知識を高めるためにも欠かせない仕事なわけないだろこのやろう。
勤務時間中に読書をしたことなど一度もない。
まずはひたすら棚整理。
自宅の本棚は常に雪崩れる5秒前だが、それと仕事っぷりは比例しない。
せり上がった帯を直し、飛び出たスリップを元に戻し、角を整え、減った本を補充する
 

『本屋の新井』より一部抜粋

  

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 今、新井さんが読んでほしい本を紹介

上でも紹介されていた柚木麻子さんの『その手をにぎりたい』を手にしたときに、吾郎さん曰く、番組でも紹介した西加奈子さんのお花見に行くときに柚木さんはいつも大フィーバーしていて、すごくパワフルで、面白いキャラクターをしているのだとか。他には千早茜さんとか。

 

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横には文庫本のコーナーなのに最新刊の単行本なども置かれており、随所に売れるために工夫もなされています。こういう新しい発見があるのも、本屋さんならではです。

まずは本屋に足を運んで、そのお店ながらのPOPや書店員さんがオススメする本を読んで新たな世界を広げてみるのもありではないでしょうか。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 山田くんの消しゴムハンコ 

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f:id:kei561208:20180622175426p:plain ゴロウ・デラックス』公式Twitter  

 

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain Book Bang記事

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