【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『step』と『ゴロウ・デラックス』

2019年3月14日放送の『ゴロウ・デラックス』第336回目のゲストは、美少女を描かせたら随一の画力を誇るギャグ漫画家・江口寿史さん(62歳)
代表作は1981年より「週刊少年ジャンプ」にて連載が始まった『ストップ!! ひばりくん!』 

ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1

ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1

 

主人公のひばりくんのキュートで色っぽい絵柄読者の心をつかみ、瞬く間に人気を博すものの、当時の漫画界ではあり得ない休載を連発。すると徐々にイラストの依頼が増え始め、現在、雑誌の表紙や広告のポスター、CDジャケットのカバーなど数々の作品を手がける人気イラストレーターとしても活躍中。  

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そんな江口さんは昨年で画業40周年を迎えられたそうですが、その秘訣は何かと問われると“ちょいちょい休むことですかね”と。無理はしないという江口さんに対し、ちょっとお顔が赤いですが暑いですか?と尋ねる外山さんに対し、実は早めに来てしまって、1杯コーヒーを飲もうとしたものの、コーヒー屋がいっぱいで隣がビールのお店で、コーヒーといえなかった江口さんはビールが弱いにも関わらず一杯ひっかけて来てしまったとw
というわけで今回の課題図書は、 

step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―

step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―

 

江口さんの最新イラスト150点以上を収録した作品集。まずは画業40周年を迎えた江口さんの現在の心境を朗読。

 

吾郎:「還暦を過ぎてしまいました。
40~50までは歳のことなど気にしたこともなく、のほほんと過ごしてきましたが、ハっと気づけば50。
「60!」
という響きにはさすがに僕も凹みましたよ。
自分の人生ももう終盤か……。
ああ、今年もまた桜の季節だな……この桜もあと何回見れるんだろう。とかね。
若い頃は60になった自分など想像も出来なかった。
でもね。
皆さんもなってみるとわかると思いますが、60になっても、頭の中身やセンスは30くらいの時とほとんど変わらないんですよ。
確かに多少の体力の衰えは感じる。
仕事で徹夜がめっきりできなくなった(昔からだろ)。
朝まで酒が飲めなくなった(いや飲まなくていいから)。
だけどいまだにあれもやりたいこれもやりたい、まだまだ絵も上手くなりたいし、モテたいし恋もしたい(嫁いるだろ!)。
枯れるどころじゃない。
まだまだ煩悩に絡みとられた欲の塊なんですよ

 

ちなみに吾郎さんはこの『step』の表紙の女の子がちょっと人間味がなくってお気に入りだそうですが、これはCDジャケットで、膨大にあるCDの中で来店されるお客さまを見据える感じにしたかったため、PCの中で目がなかなかこちらを見てくれないのでミクロ単位で延々と微調整していたそうです。
そして吾郎さんが外山さんに“女性から見ても好きになっちゃうでしょ?”と問えば、友だちになりたいタイプと自分が生まれ変わったらこうなれたらいいなというタイプがあると答える外山さん。さらにはそれを聞き、「僕が生まれ変わったらこうなりたい女性を描いています」と江口さん。だから最近、若い女の子のファンたちから“江口さんの絵みたいな子になりたい!”と言われると、自分の中でなれなかった女の子への満たされなかったものが済むのだそうです。 

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近年では連載の挿絵に男性芸能人の似顔絵も描いていたことが。その中には吾郎さん、剛くん、慎吾くん3人の似顔絵も。

吾郎さんは心ここにあらず的な表情をするのが格好良くて、メガネとヒゲがすごく似合うのでメガネの吾郎さんを絶対描こうと。 慎吾くんと剛くんは描きやすくて、特に慎吾くんは描きやすかったそうです。

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大ヒット漫画『ストップ!!ひばりくん!』の主人公・大空ひばりくんは美少女にしか見えないものの、実は女装した男の子という当時としてはかなり斬新な設定だった。この漫画が江口さんの可愛い女の子を描き始めるきっかけに。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain なぜヒロイン役を「女装した男子」に!?

当時、あだち充先生の『みゆき』のようなブコメ全盛期で、ギャグ漫画は基本的に王道を茶化す役割なので、『すすめ!!パイレーツ』では野球漫画を茶化していたのですが、今度はブコメを茶化そう!!と思ってヒロイン役を男にすればおかしくなるだろうという発想から始まった漫画なのです。だからヒロイン(男)を可愛く描けば描くほどおかしくなっていくだろうという思いから、ひたすら可愛く描いていたそうです。実際、少年誌の場合、女の子の絵の可愛さが人気投票に如実に出るのだとか。そういった戦略もあったので、表紙は可愛く格好良く絵にこだわるようになり、週刊連載がキツくなってきた江口さん。その結果、漫画界に伝説を残してしまったのです。

f:id:kei561208:20180621012743p:plain その①「幻の白いワニ伝説」

週刊連載は13枚の原稿があり、段々とキツくなってきた結果、その白い原稿が白いワニに見えてきて、その妄想を描いてしまったという伝説。当時、ギャグ漫画家は「5年寿命説」というのがあり、要は自分のギャグに中毒となって精神がすり減って描けなくなるのを逆手に取り、“壊れたフリをしようかな……”それをギャグにしようと、13枚の白い原稿を「今回はワニに襲われて描けませんでした」とw
江口さんの場合、ネームだけで4日はかかるので、残り3日で絵を描くのは物理的にも無理で、週刊なのに10日以上はかかるようになってしまい、計算が合わなくなってきてしまったのです。江口:人間の仕事じゃないもん、毎週描くのなんて!)
今は結構、休みたいときに休めるようになったので良い時代です。……富樫先生w

f:id:kei561208:20180621012743p:plain その②「衝撃の未完伝説」

それは普通に描く週で、ネームは出来ていて10ページぐらいまでは絵も描けていたのです。後5ページが2日しか残っていなくて、「これは無理だわ」と毎週、毎週の連載を描くことも限界だったのでしょう。 ページを残してほっぽって逃げてしまったのです。2日ほど連絡を絶ち、すべてが終わったころに自宅に戻って集英社に顔を出し、「どういうつもりだ?」と問われ、「週刊がキツいので隔週か、月1で…」と直談判した結果、うちでは面倒見きれないから他でやれと言われて未完のまま終わりを遂げたのです。

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そんな未完のままで終了してしまった漫画ですが、27年の時を経て、2010年に完結。実は漫画のコンプリート版を出すという話があり、“だったら最後までちゃんと描いて終わったほうが読者は嬉しいだろうな”と最後まで描いたそうです。 とはいっても物語は続いていく感じの終わり方ではありましたが。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 江口漫画に多い“未完”へのこだわり

ただ江口さんは『ひばりくん』以外にも未完の漫画が多く存在する。その理由は、人生は続いていくので漫画として一時的にカメラを当てているものの、その自身が撮っているカメラがふっと去っていくだけでいいのではないかと。漫画の世界はまだ続いているので、終わらせてしまうのが寂しい感じがしてしまうのです。

今回も江口先生ご自身の撮影で仕事場を見せていただきましたが、整理魔の江口先生の部屋はかなりキレイで、すっきり。実はギャグ漫画を描いているのも整理している感じがするそうで、頭の中にあるいろいろとごちゃごちゃしているものをパズルみたいに整理整頓して白い原稿にパッと当て嵌めて描いているのが気持ちいいと。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 最近練習中の即興スケッチ!

そして最近はイベントに来られた人の似顔絵を描く新しい試みをされているそうで、自分の好きなアーティスト30人を集めてTシャツ展をされた江口さん。そこに来た2~3人がすごく絵が上手くて、下書きせずにパパッと描いてしまうのでそれが羨ましくて、自分はこれまでそういうことをしてこなかったなあとやるようになったのだそうです。
というわけで今回、外山さん相手に即興スケッチをすることに。描くこと10分で、出来上がった外山さんの即興スケッチがこちら。

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外山さんらしさがありつつ、吾郎さんが言うようにアナウンサーっぽいです。 しかし修正の効かないペンの一発描きでこのイラストはさすがです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 画業40周年を超え、今後の展望は?

毎週はやりませんがw また出来る範囲で今年は漫画に戻ろうかと思っている江口さんだそうです。どんな作品を書かれるのか、楽しみです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 山田くんの消しゴムハンコ  

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f:id:kei561208:20180622175426p:plain Book Bang

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