【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『破天荒フェニックス』と『ゴロウ・デラックス』

2019年1月31日放送の『ゴロウ・デラックス』第330回目のゲストは、株式会社オンデーズ代表取締役社長である田中修治さん(41歳)
昨年も数々のビジネス書がぞくぞくと登場した出版業界。その中でも特に異彩を放つのが今夜の課題図書となる、

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語  (NewsPicks Book)

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 (NewsPicks Book)

 

 

f:id:kei561208:20190208184045j:plain

田中さんは30歳で負債14億円の負債を抱えたオンデーズ買収。その後、奇抜な改革を行い、わずか10年で年商は10倍の200億円。そして世界12カ国270店舗展開する一大メガネチェーン店へと成長させた。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 他社との違いを出すための策

実は物語を読んで行きたくなった外山さんは、オンデーズ池袋西口店にまで足を運んで実際に商品を購入したのだそうで。それを知って外山さん用に作った眼鏡をかけてみる吾郎さん。さらには吾郎さんにと田中さんが胸ポケットに入れておいた枠が太めな眼鏡を差し出されかけると、差し上げますとプレゼント。

結局、お客様が求めているサービスを追求すると皆同じところに行くと。ならば、どうやって違いを出すのかというと、オンデーズでは会社のストーリーを伝えていき、そのストーリーのファンになって買いに来てもらいたいねという考えから、この本もその一環で、読んだ後にお店に足を運んでもらおうとビジネス書ではなく小説にしたのです。

そもそもオンデーズの買収はどう始まったのか。現在、オンデーズの財務を担う奥野氏とのやり取りを吾郎さんと外山さんで朗読。

 

奥野(外山)「えええ!オンデーズを修治さんが、個人で買収するって言うんですか?」
ナレーション(吾郎):六本木の交差点にある有名な喫茶店アマンド」の2階の窓際席で、奥野さんは悲鳴のような大声をあげると、ずり落ちたメガネを直しながら「まるで信じられない」という顔で目を丸くして、驚いた。
田中(吾郎)「そう。結局、誰に話しても反対ばかりされるしさ、もう面倒だから自分で買うことにしようかなと思って」
奥野(外山)「それは絶対にやめといた方が良いですよ。何度も説明したように、オンデーズは年間の売上が、たったの20億円しかないのに、銀行からの短期借入金が14億円もあるんですよ!
借入金の回転期間はわずか8ヶ月、約定返済額は月に8千万円から1億円にものぼる。それなのに毎月、営業赤字から2千万円近く出ているという、異常な資金繰りに陥ってしまっている会社ですよ。買収したとしても、これを再生するなんて、まず無理ですよ!」
田中(吾郎)(さすがは金融のプロ、数字が全部頭に入っているんだなぁ。
ひょとして奥野さんは、寝言までが数字なんじゃないのだろうか?)
ナレーション(吾郎):そんなことを考えながら、僕は奥野さんの意見に、ふんふんと耳を傾けていた。
僕の名前は"田中修治"、30歳。
肩まで伸びた髪の毛を金髪に近い茶色に染め、破れたジーパンに黒いジャケットを羽織ったスタイルをトレードマークに、早稲田の住宅街の片隅で数名の社員たちと、小さなデザイン企画の会社を経営している。
この物語は、そんな流行りの若手IT社長を気取る僕のもとに、仕事を通じて交流のあったビジネス誌の編集者が、全国に60店舗を展開する低価格メガネのチェーン店「オンデーズ」の創業者で、会長職に就いていた松林氏を紹介してきたところから始まった。

 

14億円という負債を抱えることに対し、田中さんは今ならお金があるから手を出そうとは思わないだろうけれど、当時は貯金もないし、家族もないし、それをそんなリスクだとは思っていなかったそうです。やるだけやって失敗したとしたら自己破産が待っているものの、調べてみればカードが作れなくなるだけだと知り、そのまま小さなデザイン会社をやり続けた33歳と、50~60店舗も会社を買収して倒産させた33歳だったら絶対、後者のほうが経験値がある分いいと考えた田中さん。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 30歳の若者が突然、会社のトップに…

f:id:kei561208:20190211234012j:plain

しかし突如現れた30歳の新社長に、社員の反応は冷ややかで、当初は口も利いてくれなかったそうです。ただ当時の自分の写真を見ると"そりゃ、口利けねえわな"と思わず納得するぐらいのチャラ系だった社長。当時の様子を社員の方に確認すると

 

【営業本部長・明石拡士さん】

「見栄えが結構派手で、ホストかキャッチが来たのかなと思いました」

【海外事業部役員・甲賀龍哉さん】
「正直、う~ん、なんだこりゃあって感じでしたね。先代の社長っていうのが銀行員の出身だったもんですから、真面目で堅い社風を作ろうと努力していたんですね。ところが新社長はいきなりロン毛で、ボロボロのダメージジーンズを履いて"チーッス!"って入ってくるわけですよ。異物感ハンパなかったです」

 

そんな社員たちの戸惑いをよそに、田中社長は破天荒な改革を次々と行っていった。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 社長が社員をえこひいき!?

自分がやりたいことに対して共感してくれる。例えばチェーン店ですと就業中はTwitterとか店内で変なことを撮ったり、炎上したりするので基本は禁止なのですが、オンデーズ全部OK。勤務中に"イエイ♪"とVサインしてる写真を撮ってUPして、ドンドン発信していって、メガネを買いに行くのではなく〇〇さんに会いたいから行くようにしたのです。街のスタックみたいな〇さんがいるから行くねといった個人経営の良さと、チェーン店をやっているので商品・価格・サービスも当然いい。そういう良い所を掛け合わせたハイブリッドにしたいという狙いがあるわけです。ただし、それは全部の社員に強制はせず、"個人を出していったほうがいいよ"といって率先とやってくれている子たちにはご飯に連れて行ったり、田中さんが海外出張するときにインスタネタになるように連れて行ってあげたりと自分の好き嫌いではなく、そういう「えこひいき」なのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain お金がないのに全品半額セール!?

負債を抱えている状態でレンズ込みで2,500円で販売しようと思ったのは、売上20億円で14億円返すよりも、40億円で14億円返すほうが当然なわけです。だから"とにかく売上をにしよう"と。そのためにはお客様は倍来ていただけないといけないわけで、倍来てもらうためには10倍の人に「オンデーズ」の商品を知ってもらわなければいけない。ただお金がないのでCMも出来ないし、ならば2,500円で売れば赤字にはならないので、行列が出来ればそれがお店の宣伝になると。その結果がどうなったかというと、

 

f:id:kei561208:20190212003035j:plain

 

1日でお客様が200人~300人、5日間で1,000人来て、そのときのスタッフはというと潰れそうだったお店に大勢のお客様が並んでくれているのをこれまで経験したこともなかったのもあり、変な高揚感"あ、メガネっていっぱい売れるんだ!"という成功体験となり、これから先の接客にも繋がり、いい宣伝になったのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 絶体絶命!? 再生への道のり

そして再生を狙って買収を行った雑貨チェーン店側に騙されてしまった田中社長。そんな最悪の状態で何もかもを投げ出したくなったときに、田中さんを助けてくれたのはムカつく人たちだったのです。

これまで会社を辞めていった社員、そして田中さんを馬鹿にしていた銀行の人たちの顔が田中さんの脳裏に浮かび、もし、今ここで自分が投げだしたらあいつら、すげえ喜ぶなと。その嫌な奴らが笑うのが許せないから、一番の仕返しは自分が幸せになることだと。外山:"南海キャンディーズ"山ちゃん式だ) 

kei561208.hatenablog.jp

そのときは失敗でもその後よくなれば、その失敗投資になると。 

実はそんな田中さんが絶体絶命のときに救っていただいたのは藤田さんで、田中さんを経営者として評価し、2億円も出資してくださったのだとか。藤田さんはなぜ2億円もの出資を決断したのか?

 

【老舗フレームメーカー「藤田光学」藤田徳之社長】
「すごく商売熱心で、これは社長として1番大事なことなんですね。いっつも仕事の話してるんですよ。仕事というか、商売のアイデア"こんなの売れるよね"とか、"こんなことあったらいいよね!"とか。そこが僕は意気投合して惹かれましたね。だから、そういう感覚があったんで"この人は絶対化けるな"と」

 

こうして次第に持ち直してきたオンデーズは2013年、シンガポールを皮切りに海外へ初進出。現在、世界12カ国に出店するまでに成長した。その海外の成功は、社内での派閥を解体する破天荒な改革が鍵となっているのだそうだ。それが、

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 管理職の人事は総選挙で決める!

f:id:kei561208:20190212010015j:plain

管理職をスタッフの投票で決める総選挙。予選を勝ち抜いた最終選考の様子も放送されましたが、一大イベントとしてそれぞれ答弁を語り、それを聞いたスタッフたちがアプリを使って投票。メガネ屋さんが部長を決めているだけではあるのですが、投票の上位に選ばれた本人はもちろん、その人たちを支持している社員さんたちも結果に涙したりと大盛り上がり。実際に選挙を経験した社員さんたちに話を聞くと、

 

【エリアマネージャー・小滝沙織さん】 
「今まで育ててくれた人たちへの感謝と、周りでそのときに一緒に働いてたスタッフに感謝の気持ちがあって。こういう気持ちも選挙がなかったら持てなかった。1年ごとにまた解散して総選挙があるので、頑張り続けるという面でも理にかなった選挙制度だなと思います」
【営業本部長・明石拡士さん】
「そのとき私はエリアマネージャーだったので、1番最初は"マジか"と思いましたね。じゃあ、実際、自分の立場がどうなるのかな?っていうのと、人気だけがある人が上に来たらどうしようかなという気持ちはありました。実際に、投票する人もこの会社に1番いいと思った人を投票するので、結果、あまり変な人が当選しないというのがわかりましたし、実際、他からの不満も少なくなるので非常に良い制度だと思ってます」

 

これに関しては田中さんは決めないそうで、シンガポールや台湾といった海外でもその制度は導入しており、だから海外進出して上手くいったのはこの選挙が上手くいったのではないかと。海外だと人種とか宗教とかいろいろあるので、この投票で決めるのは民主的だと。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 破天荒社長が目指す会社の未来とは?

オンデーズはそれこそAmazon、ZOZOタウンもそうですし、ネットで買うようになってお店って結局要るの?みたいな、矛盾があって。でも小売業である以上、「オンデーズ」がその地域にいることによって、コミュニティーのハブになるような。メガネ屋でなくてもいいので。いずれ医療が進歩すればメガネは不要になるかもしれない。メガネがなくなったからといって全店閉めて、社員をリストラするわけにもいかないから、そのときには大根を売ってもいいし、別にカバンを売ってもいい。とにかく、世界中の人に「オンデーズ」という看板の下には素敵な人たちがいて、楽しい時間を過ごしてというふうなものにするのが僕らの目指しているところですかねと田中社長。

⇒今回、この田中社長の出演が告知されてから社員の方々による反応というのがすごくあって。これまでも社長と呼ばれる人は出演されていますが、社員の方が一生懸命盛り上げようとするコメントに、あ、この社長は本当に慕われているんだなというがすごく伝わってきましたし、翌日以降のコメントも愛があって、素敵な会社だなと。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 山田くんの消しゴムハンコ 

f:id:kei561208:20190212013126j:plain

 

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain Book Bang

www.bookbang.jp