【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『硯の中の地球を歩く』と『ゴロウ・デラックス』

2018年11月8日放送の『ゴロウ・デラックス』第320回目のゲストは、伝統工芸の製硯師(せいけんし)である青柳貴史さん(39歳)

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 硯ハンターが世界中を飛び回る理由

実はお仕事で世界中を飛び回っている青柳さん。実は硯は毛筆文化圏の国(日本・中国・朝鮮半島)でしか作られていないもので、中国は日本に比べるととても大きいため、北から南まで探せば日本よりいい石が出る確率が大きいですし、中国大陸の起こりからしても様々な石が出てくるのです。

というわけで今夜の課題図書は、

 

硯の中の地球を歩く

硯の中の地球を歩く

 

 

中国を発祥とし、5,000年の歴史を持つ硯の世界。実は良質な硯を作るための原石はごく一部でしか採石されない貴重なもの。古来、中国では皇帝への賄賂として使ったほどだったと言われています。そんな貴重な原石を求め、秘境を巡る秘境ハンターであり、硯職人としても超一流。その作品は多くの書道家に愛用されており、何と本場・中国から皇帝の硯の修理を依頼されるほどなのだとか。そんな青柳さんが実際に行ったり、目星をつけている硯採石国の世界地図がこちら。

 

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やはり最高級なのは中国の端渓(広東省端渓市)・歙州(江西省婺源市)・澄泥(江蘇省蘇州市)この3つが三大名硯と言われています。そして地図上にノルウェー・インド・ニュージーランド可能性ありと書かれてあるのは、専門家の間で持っている地質図マッというのがあり、その情報では可能性があるということなるのです。

ところで先日、吾郎さんはある石との出会いがあったそうで、海外に行った帰り、席を希望されている方と換わった吾郎さんに、客室乗務員の方より「こちらを」とマダガスカル産の石のプレゼントをいただいたのだとか。

 

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握り心地が良くてと説明した瞬間、即座に「あ、いいですねえ」と反応を返すあたり、重度の石愛に溢れた人なのが伝わってきますw

ここでその青柳さんが特に愛してやまない"2つの硯"について書かれた部分を朗読。

 

吾郎「ぼくには妻が二人いる。
一人目は中国・安徽省出身で推定年齢一億歳以上。
彼女はいつも家にいる。
夜、仕事を終えて帰宅すると、彼女と一緒にお風呂に入ることがささやかな楽しみだ。
タオルに彼女を忍ばせて湯船にそっと入れる。
気持ち良さそうだ。思わず笑みがこぼれる。
二人目は中国・広東省出身でやはり推定年齢一億歳以上。
彼女はずっと工房にいる。
夜七時、一日の仕事納めに日記を書く。
彼女の出番だ。
少しの水を垂らし、墨を軽くすべらせるだけで、とろーっと、ふわーっと墨がおりる。
そのとろみは彼女を一層艶っぽくさせる

 

こうやって聞くと完全に変態ですねと青柳さん。吾郎さんはラブストーリーと言いましたが、まあ、変態ですねw 実際に硯とお風呂には入るのですが、水に浸かることで出てくる石の表情であったり、美しさが出てくるのだと青柳さん。ちなみに世間一般が想像する硯は長方形の形をしていると思いますが、青柳さんの愛する硯はまったく形が違うのです。その形が、

 

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中国安徽省の山で1億年以上かけて堆積され、層を成しているた石で、複雑な石紋が出る。青柳さんが中国・安徽省に訪れた際、芙蓉渓から見つけたもの。硯としては全体で使えるが、場所によって肌触りが違うそうです吾郎:青柳さんの奥さんを僕が触っていいですか?)実際に触った吾郎さん曰く、全然違うそうですが、それ以前に石紋が川の流れのようにも見えるし、今にも天気が崩れそうな空にも見えるし、森にも見えるし魚にも見えるのだとか。

 

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そしてセカンドワイフの端渓硯も中国・広東省の山の中で1億年以上かけて生成された石。鋒鋩といい、硯の王様である端渓の中でも最上とされる"老抗"で採石。今では老抗は封鎖されてしまっているため、ますます価格は高騰している。青柳さんも自分で採石することは叶わず、中国のバイヤーから譲り受けたそうです。歙州硯と比べるとさらりとしているそうです。ちなみに硯を指で刷ると磨墨音という音がするそうです。その音もまた石によってそれぞれ違うため、石は匂いや音、そして味も感じられるのだとか。(端渓硯は無味無臭でどちらかというと清々しい味、歙州硯はえぐ味が感じられる)石によっては似たようなものがあるため、その山地に行って、そこの石を舐めることで「間違いなくここの石はこの味」というのがわかるようになるのです。だから、この二つを超える石を見つけたくて、青柳さんは今日も世界中へと旅を続けるのです。

そんな青柳さんの採石調査に密着。青柳さんが今回訪れたのは、千葉県にある武蔵嵐山。ここを選んだのはちょっと可能性があるのかなあと。調査して、可能性があれば2回目、3回目と来られる予定です。山の岩肌にまで目を光らせる青柳さん。遊歩道から離れ、最終的には道なき道を突き進みます。

 

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硯ハンター・青柳の心得①
⇒山のすべての石は貴重な原石の可能性を持つ

硯ハンター・青柳の心得②
⇒良さそうな石を見つけると硯化するのが青柳流

硯ハンター・青柳の心得③
⇒作った硯で日記を書くのも青柳流
モンベルと一緒に作った墨と筆のセットは常に持参。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 職人技が炸裂!「端渓麻子抗 秋葉硯」

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中国で縁起が良いとされる植物、秋海棠を硯の淵に飾彫りし、清朝末期に流行した硯を復刻で完全再現した作品。麻子抗という場所で採られたもので、清朝時代の代表的な彫り方。秋海棠の実を彫ることでたくさんの実りをつけるので、豊作祈願子孫繁栄といった意味合いがある。吉祥図案がフォーマットとしてあり、描写的な彫刻をするのが特徴。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain ある思いを込めて製作した「玄昌石 天然如意池硯板」

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宮城県石巻市で採石した5,000年前の石。特有の黒さを持っているため、磨くと黒く美しいツヤが出る。石質は柔らかいため、形が変わりやすい

これは東日本大震災津波が引いた後に湾の中に残っていた石。転がされて傷がついたのをそのまま残し、吉祥の万事如意を彫ることで「復興が進みますように」を祈って作った硯。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 人類初!? 「隕石で作った硯」

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地球上にない鉱物を含み、非常に硬い。火星や木星の間で小惑星になり損ね、モロッコに落下した隕石から製作、大きさは約2cmと小さい。ちなみにこの隕石は地球が誕生する前に出来上がった石だそうです吾郎:青柳さん、宇宙人が妻ですよ)

15年以上に渡って採石地を巡る旅を続ける青柳さん。 その旅の中で起こった心境の大きな変化を外山さんが朗読。

 

外山「地球の視点は、ぼくの中でどのように育まれてきたのだろうか。
二十歳の駆けだしの頃は石を加工する技術、造形、様式のおもしろさに夢中だった。
二十七、八歳で独り立ちして中国へ採石に行っているときも、意識を向ける対象は山であり石であった。
「ここが硯の採れる山か」
という程度だった。
それが当たり前だった。
三十五歳のとき、石の表情を残して造形している硯を目にしたとき、なぜ石の表情を残したのだろうか、これをつくった当時の人は何を考えていたのだろうか、という疑問が湧き上がった。
山に熱心に入り始め、日本各地、中国各地の石の表情と山の表情を見比べていった。
やがて、人工的な彫刻は地球がつくった表情には勝てないのではないかと考えるようになった。
そのとき、本当の大自然を感じた。
ぼくは「地球」に気づいた
 

 

青柳さんの中に国という境はなく、硯=造形ではなくて硯=であるように、その石を誕生させてくれた地球という一つの表裏一体なのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 自分で磨った墨で年賀状を書こう!

青柳さんの本妻を外山さんが、セカンドワイフを吾郎さんがお借りして、実際に年賀状を書いてみることに。2、3滴の水を垂らしたら、墨を使って普通に磨ります。そして青柳さんの本妻ではなく、セカンドワイフと向き合ってることに興奮し出した吾郎さんw

外山さんのほうはサラッとした感じで、吾郎さんのほうはふわとろっとした感じで香りはムスクらしいのですが、それぞれに書きあがった年賀状が、

 

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青柳さんは吾郎さんのその年賀状がもらえることを楽しみにしていると語っていましたが、果たしてもらえたのでしょうか?

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 山田くんの消しゴムハンコ

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