『おまえの代わりなんていくらだっている』と『ゴロウ・デラックス』
2018年10月4日放送の『ゴロウ・デラックス』第317回目のゲストは、司会者、そして俳優としても大忙しの坂上忍さん(51歳)
というわけで今回の課題図書は、
週刊誌に連載する日常の中の怒りやこだわりについて赤裸々に綴ったエッセイ。読んだ吾郎さんは苦手なものとか、好きなものとか共感する部分が多くて良かったそうです。早速登場した坂上さんは、静かな独特な雰囲気の収録現場に大丈夫なのかとやや戸惑い気味の様子。
そんな坂上さんが書いた『おまえの代わりなんていくらだっている』というタイトルは坂上さん自身のことでもあり、皆さんそうだということで、それを聞いた吾郎さんも芸能人の方はそう思っている方のほうが多いと。吾郎さん自身も"SMAPという会社があって、代わりはいるんだけれども今はそこで働かせてもらっていて。一応、役員みたいな感じで"そんな気持ちだったとずっと。
現在、レギュラー番組10本と忙しい日々を送る坂上さん。そんな中、どうして書くことを続けるのか。その理由となる小学生のエピソードを吾郎さんが朗読。
吾郎:手始めに芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を買ってみた。
意味が分からない以前に、漢字が読めなかった。
速攻で国語辞書を買いに行った。
「地獄変」を手に取った。途中で断念した。
なんだかわからないが悔しさだけが募った。
親父に相談した。
「なにを読めばいいのか?」
すると親父は山本有三の「路傍の石」を薦めてきた。
泣いた。「本を読んでなく感情が湧くんだ」と、驚いた。
ちょっと面白くなってきた。
結果、文学史の年表に載っている全ての小説を読破した。
あの時のなんとも現しようのない感覚を、興奮を、今でも覚えている。
以来、活字から離れられなくなった。
とはいえ、哀しいかなわたしには文才はなかったようで、小説家になることは叶わなかった。
しかし、活字を追う癖は今現在も変わらず、バッグの中にはボールペン、シャープペン、替え芯は必需品だ。
言葉は難しい。
言葉はリスクが高過ぎる。
活字が好きだ。
漢字にとてつもなく魅力を覚える。
そんな男の、偏った思考を持つ50歳のおっさんの、本書は殴り書き集である。
坂上さんのお父様はちょっと変わった人だったらしく、「国語の代わりに本を読め」、「数学の代わりに麻雀覚えろ」というぐらいで小説と麻雀は小学校低学年から。
父との関係
あまり裕福ではなかった坂上家。お母様はとあるシューズメーカーの寮母さんをしていたのですが、寮生さんがいるのでお父様は毎晩その寮生さんたちを麻雀をしていたそうです。ただお父様は小説家でもあるため、中央線を挟んだ向こう側でアパートを借りて、そこで寝泊まりして小説を書いていて、お父さんっ子だった坂上さんはお父様と一緒のアパートで寝泊まりをし、昼ぐらいに起きて、カリカリと万年筆を滑らせて、夕方になって下駄を履いて赤ちょうちんに行く。そんなお父様を見て育ったのです。
坂上忍の主張
ここからは本の中から坂上さんの主張を取り上げ、MCのお二人にも「腹が立つ」「許せる」と自分の意見を表明してもらうことに。
①若者に腹が立ったらちゃんと怒れ!
今時の若人達に歯痒さを覚えるのである。
こんな男の子がいた。
年の頃は20代前半で、とある番組のAD君である。
ロケの移動中に女性タレントさんが恥ずかしげにトイレ休憩をお願いした。
では、近くのコンビニに寄りましょうということになり、5分ほど走った先で見つかったのだが、ドライバーさんが駐車をしようとハンドルを切ったその時である。
問題のAD君がか細い声で言ったのだった。
「あと10分ほど先のコンビニの方が、大きくてトイレも綺麗ですよ」と……。
坂上さん「ロケハンに行ったADくんなので、最初から10分先にあるコンビニのトイレがキレイだと、相手は女性だからと紹介したかったはずなのに、勇気を奮って口にしたのがドライバーさんがハンドルを切ったときだったと。"おめえ、遅すぎるんだろ"ということですよ。わかっているのに自己主張しない子が多い」
吾郎さん「腹は立つけど、結果、許してしまう甘さが僕にはある。これは自分のよくないところでもあるんですが、自分も後輩とか年下の子とかが多くなってきているのに、素通りしちゃいけないなって」
外山さん「確かに今、気が利かない子が多いので"これ読んだほうがいいぞ"って方いますよね(腹が立つ札を上げる)」
そんな会話をしつつ、外山さんが42歳と知り、驚く坂上さん。貫禄ある外山さんに同じ年ぐらいだと思っていたようで、アナウンサーらしくなく愛想のない感じがいいと褒めてました(褒めて……?)
②結婚するとなるととんでもなく細かいことが気になる
とんでもなく細かいことなんです。
それは……生活習慣。
わたし、なかなか眠れない人なんです。
一方、彼女さんは数秒で眠れてしまう人なんです。
わたし、出した物は使い終わったらすぐに元の場所に戻したい派なんです。
一方、彼女さんは最後にまとめて元に戻せばいいじゃない派なんです。
それでも、私が気になって元に戻してしまう。
しかし、その行為が彼女さんを煽ってしまっているのは事実なんですよね。
でもね、生活習慣の違いであったり、いわゆる価値観の違いなんてものは当然のことであって、だって他人同士がくっついているわけですから。
坂上さん「"ちゃんとしたがる病"に罹っている。朝目覚めがいいんですよ、パチっと目覚めて、ピョンと起きれるぐらいに。4時前後には起きている。で、彼女が泊まりに来てます。犬の散歩手伝ってくれるので、今だと6時半ぐらいには起きてくるのかな。寝室から降りてくるときに気だるい足音が響いたなと思ったら、眠そうな顔をして登場するわけですよ。"いや、違うよね"って思うわけですよ」
さすがに共感できない札を上げる外山さんと吾郎さん。吾郎さんの場合は、「起きてくれてありがとう、おはよう」と甘やかしてしまうタイプ。そんな吾郎さんに最悪と言いつつ、どういうときに女性にイライラするのかを尋ねる坂上さんに、「女性にはイライラしないですね」と。さらに大きな声で「うるせえ、この野郎。出てけえ!」みたいな喧嘩はないのかと問う坂上さんに対し、「言われたことはありますけど。殴られて」近くにあるもので殴られて、顎がズレたことがあるのだとw ま、原因は若かりし頃のことなのでお察しください(浮気でほぼほぼビンゴとのこと)
やきもちも焼かない吾郎さんに、やきもちを焼かれないと不安にならないかと外山さんに尋ねるものの、「いや、別に……」と外山さんの答えを聞いて、外山さんに聞くだけ無駄だったと坂上さん。それは間違いじゃない気がする(おい)
③伸び悩んだら今の自分を捨ててみよう!
「君がこれまでのキャリアの積み重ねで得たモノを捨てろ」
と言われたのに捨てることができなかった、わたし。
しかし監督は、
「捨てたとしても拾いに戻ればいいんだよ。捨てる行為を恐れすぎてはいけない」
と、わたしを諭しました。
その言葉が、その後のわたしにどれほどの影響を与えたか。
わたしはこの歳になって演出等をする際、良いモノは持っているのに売れる所まで行き切れていない役者さんに対し、もれなく監督の言葉を引用させて頂いております。
簡単に言うと、モロに真似をさせて頂いているわけです。
でも、実際はわたしも捨てられなかったわけで、捨てる振りをして逃げてしまったのですから、容易な作業ではないんです。
坂上さん「僕は子役をやっているときに泣く芝居がいくらでもできちゃったタイプで、でも笑えなかった。小学校5年生ぐらいのときにあまりにも笑えないので、笑い声だけオンリーで録って笑い声をはめ込むということになって。そのときにチーフADさんが上半身裸になって腹踊りをしてくれたんです。それ見て俺泣いちゃったんです、申し訳なくて。トラウマみたいになっちゃって、中学生卒業したぐらいですかね、やっと笑えるお芝居が出来るようになったのは」
言われたことに対し、何も考えずにとりあえずやってみる気になれなかったのかと。いろんな監督さんに剥がす作業をしてもらったものの、結局、坂上さんがやっと剥げたなと思ったのはバラエティーだったそうです。
そこから『十三人の刺客』へと話題は変わります。「あれが観客として凄い良くて。あれ観たとき、"あ、この人俳優さんなんだ"って思っちゃって。あれは何かあったの?」と問われるものの、自分を剥がしてみようとか、殻を破ろうと思ったわけでもなく、積み重ねたキャリアの一つ、次こういう役みたいなと。
吾郎さん「そうですね。でもお芝居って自分を剥がすことが出来てるのかというのはわ
からないですね。とにかくお芝居は作るものじゃないですか、皆と一緒に。バラエティでもわからないかも知んないですけれども、今は全然何も気にしないで喋って」
吾郎さん自身はグループではなくなったため、こうしなきゃいけないだとか、こういうポジションでいなきゃいけないというのが今はないので、リラックスしてやれているかなと。もちろん、それ以前がつまらなかったわけではないものの、背負っているものが大きい感じはありましたよねと。
そんな坂上さんですが、10月よりTBSにて新番組がスタート(番宣かい!)
冒頭では静かすぎる番組に不安だった坂上さんでしたが、途中からはいつものらしさを出しつつ、楽しそうにしてましたし、実際に番組の終わりに"楽しかったな"というコメントまでいただけて良かったです。
山田くんの消しゴムハンコ
〒107-8066 TBSテレビ『ゴロウ・デラックス』御中
〒107-8066 TBSテレビ『編成部』御中
⇒『ゴロウ・デラックス』ご意見・ご感想大募集!| TBS (感想宛)
⇒視聴者サービス部宛メッセージフォーム|TBSテレビ(要望宛)
Book Bang&その他ネット記事