【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『ファーストラヴ』と『ゴロウ・デラックス』

2018年8月9日放送の『ゴロウ・デラックス』第309回目のゲストは、第159回直木賞受賞された作家、島本理生さん(35歳)

登場とともに受賞作家恒例となっているお祝いの花束が吾郎さんから贈られ、まず今の気持ちと問われると、やはりずっと緊張して待っているので“ホッとしています”と島本さん。

島本さんは2001年17歳のとき、『シルエット』で群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。

 

シルエット (角川文庫)

シルエット (角川文庫)

 

 

2005年、自身の代表作となる『ナラタージュ』が66万部を売り上げるベストセラーとなり、昨年映画化され話題に。

 

ナラタージュ (角川文庫)

ナラタージュ (角川文庫)

 

 

何と過去には芥川賞4回、直木賞2回ノミネートされ、今年晴れて直木賞を受賞。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 島本さん&ゴロウさんはお花見仲間!

実は島本さんとは2度お会いしたことがある吾郎さん。というのも、西加奈子さんのお花見の会にお呼ばれした先に島本さんがいらっしゃるそうなのですが、吾郎さんがお花見の会に行くのは大体後半に入ったころ。お昼から楽しんでいる皆さんはちょっぴりお酒が入っているためか、そういう雰囲気の島本さんしか見たことがない吾郎さん。作家の皆様もお酒の勢いで吾郎さんの登場に、「わーっ、稲垣吾郎だ! 稲垣吾郎だ!」とハイテンションに作家さんではない反応w

そのときはお酒が好きな島本さんも普段なら遠慮して聞けないような“40代男性の恋愛”について吾郎さんに質問をしてしまったらしく……ちなみにそのお花見の会を6時ごろ抜け、その後、吾郎さんは映画の舞台挨拶に登壇吾郎:お酒飲んで舞台挨拶しましたけど、何か?)

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 受賞祝いはお花よりお酒!?

そんなお酒好きな島本さんも、受賞で嬉しい悲鳴を上げる出来事があったそうで。賞を受賞したらお祝いでお部屋がお花でいっぱいになりますよと出版社の方に言われていたそうですが、気がつけば8割がお酒だったというw

 

 

好きなのはお酒を認めつつ、常日頃、恋愛小説を書いている女性の作家の家にビール瓶24本が届くのはいかがなものかと島本さんw

というわけでそろそろお酒の話は横に置いて、今回の課題図書は直木賞を受賞作、

 

ファーストラヴ

ファーストラヴ

 

 

【あらすじ】
主人公は臨床心理士・真壁由紀。父親を殺した女子大生・聖山環菜の“殺人の動機”を探っていくミステリー小説。
物語の特徴は環菜だけでなく、登場人物が皆、あるを抱えていること。たとえば環菜は自傷行為や虚言癖、主人公の由紀は両親との確執や旦那への秘密など。容疑者、環菜を取り巻く多くの登場人物が異なった心の傷を抱えている。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 心に闇を抱える登場人物たち

初めて島本さんの作品を読んだ吾郎さんは、お花見の会で知る彼女とのギャップに驚いたそうですが、外山さんも最後には切なく、涙なくしては読めなかったそうです。

物語の見どころの一つは臨床心理士・由紀が容疑者・環菜から殺人の動機を聞きだそうとする取材シーン。その部分を吾郎さんと外山さんが朗読。

 

由紀(外山)「そういえば、お父さんの絵画教室で絵のモデルをしていたのは何歳くらいの頃から?」
環菜(吾郎)「え?」
ナレーション(外山):環奈はなにを言われたか分からないというように訊き返した。
由紀(外山)「環奈さんは時々、お父さんの教室の絵のモデルをしていたって」
環菜(吾郎)「えっと、小学生の高学年とか、それくらいだと思います」
由紀(外山)「そこにいた生徒さんに、変なことされたことはない?」
ナレーション(外山):私が尋ねると、環奈は驚いたように、ないです、と答えた。
由紀(外山)「じゃあ、質問を変えるね。絵のモデルをしていたとき、お母さんはどうしてたの?」
環菜(吾郎)「たぶん……買い物とか。どこかにはいたと思いますけど。あ、違う、料理教室です。それで土曜日の午後は母がいないからって、デッサン会をやってたんです」
由紀(外山)「なんでお母さんがいない間だったの?」
環菜(吾郎)「それは、父が、集中できないからどっか行ってろって」
由紀(外山)「じゃあ、あなたは絵の生徒さんたちのことは好きだった?」
ナレーション(外山):環奈は困惑したように首を横に振った。
環菜(吾郎)「好き、ではないけど」
由紀(外山)「じゃあ、もし彼らに対する印象を、あなたが一言で表すとしたら?」
ナレーション(外山):彼女は言葉を飲み込みかけた。私は小声で、言って、と促した。
環菜(吾郎)「気持ち悪い」
ナレーション(外山):その言葉を口にした瞬間、環奈は目を見開き、赤く染まった涙袋を伝って涙が落ちた。
環菜(吾郎)「え……どうして?」
ナレーション(外山):私はすぐに訊き返した。
由紀(外山)「環奈さん、どうしてって?」
環菜(吾郎)「なんで、私、気持ち悪いって思ったの。え、全然分かんない。どうして」

『ファーストラヴ』より一部抜粋

 

島本さんがこだわったのは、由紀が臨床心理士としてカウンセリングをするような立場で環菜に語りかけていくところ。単純に患者の過去を引き出せばいいわけではなく、きちんと段階、段階を踏んで、環菜の心を開いていくことによって自分の過去を整理したり、自覚することで本当の自分を取り戻すことが一番大事だと。“謎が解ければいいということではない”そこがこの小説では大事なところだと島本さん。元々、島本さんは10代のころから臨床心理学に感心があったそうで、心理学関係の本は読んでいたのです。いつか心理分析みたいな形で人の心を探っていくような小説を書きたいとずっと思っていたのだとか。

これまでもトラウマのある主人公を書いてはきたものの、結局、似たような経験がある人はわかる、経験がない人は主人公に共感できないという声が多く、わかってもらえない人にわかってもらえるようにすることはより小説として伝わるのではないかと島本さんは、あえて客観的に臨床心理士の視点から環菜の内面を見ることにしたのです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 母となって変わった「家族」の描き方

今回の『ファーストラヴ』で島本さんが描きたかったテーマは「家族」

思春期の心の傷の問題に関心があって小説に書きたいと思っていたのですが、これまでであれば親子関係であれば娘の視点だけで書いていたものを、7年前に出産して子どもを生んだおかげで母親の視点もわかるようになってきたので、すごく親子関係の難しさが身に沁みるようになったと。子育てを習ったこともなく、いきなり本番で子育てをしている自分が子どもに悪い影響を与えていないだなんて確信を持って言えないと。だからこそ、その難しさや危うさを小説に書いてみたいという思いが強くなったのです。

そんな危うさが感じられる父親を殺してしまった環菜と、環菜の母親の親子関係が描かれた部分を吾郎さんと外山さんで朗読。

 

由紀(外山)「環奈さんの腕の傷を見たことはありますか?」
母親(吾郎)「もちろん。それがなにか?」
ナレーション(外山):と環奈の母親は平然と訊き返した。
その返答を少し意外に感じつつも、
由紀(外山)「環奈さんにそのことについて訊いたことはありますか?」
ナレーション(外山):と重ねて尋ねた。
母親(吾郎)「ありますよ。鶏でしょう」
ナレーション(外山):私はつかの間、言葉をなくした。
母親(吾郎)「学校に遊びに行ったときに鶏に襲われた傷でしょう。それがどうしたんですか」
由紀(外山)「環奈さんが、そう言ったんですか? いつ頃?」
母親(吾郎)「私がハワイに行っていたときだから、小学校を卒業した年です。あの子、そういうところがあって、昔から変な怪我をよくしてくるんです。妙にぼうっとしてるもんだから」
由紀(外山)「鶏に襲われたと、環奈さんが」
ナレーション(外山):くり返すのも馬鹿馬鹿しかったが、環奈の母親は、そうです、と真顔で相槌を打った。
由紀(外山)「その後は、傷が増えたりしましたか?」
母親(吾郎)「分かりません。数えたわけじゃありませんから。それがなんだっていうんですか」
由紀(外山)「私がお訊きしたいのは、環奈さんがなにか精神的に追い詰められていて、そのことにお母様も気付いていたんじゃないか、という点です」
ナレーション(外山):てっきり激昂されると思った。けれど環奈の母親は妙に淡々と答えた。
母親(吾郎)「追い詰められていたことなら、あったでしょうね。あの子、昔から脆かったから。夫も気難しい人で、私もそれなりに苦労しましたし、それくらいは気付いていますよ。でも、そんなの最終的には本人がどうにかするしかないでしょう」

『ファーストラヴ』より一部抜粋

 

実際に色んな臨床心理士にお話を伺って、一見、父親との関係性に問題があるように見える子は、実はお母さんがその子どもを助けないことが多いのだそうです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 父子の問題に隠れた母親の本音

子どもをかばうことなく父親の味方をしたり、どちらの味方もせずに完全に見て見ぬふりをする。夫が怖いとか、どうしていいのかがわからなかったりするのかもしれませんが、その場合、実は物理的に加担はしていなくても、見えないフリをすることで母親が子どもを追いつめている。という場合が結構あると臨床心理士から聞いた島本さん。ちなみに島本さんご自身も親が芸術家活動をしており、海外に行ったりと不在も多く、10代のころからほぼ一人暮らしに近い生活を送っていたそうです。寂しかったのも確かですが、ただ一人の時間が多かったため、結果として本を読んだり、物を書いたりと今の仕事に繋がったのかもしれませんと島本さん。作家さんはそうやって内にこもって、一人の時間が長いからこそ、なれたところがあるなと思っていたところ、朝井リョウさんの出現によってそれは打ち砕かれてしまったのだとかw

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 出会いは作家合コン!?

 

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島本さんのご主人も佐藤友哉さんという、2007年には『1000の小説とバックベアード』という小説で第20回三島由紀夫賞を史上最年少受賞した作家さん。きっかけは作家合コンだったそうで吾郎:ちょっと待って。作家合コンは呼ばれていない……あ、作家じゃないからか)

作家合コンの食いつく吾郎さんですが、十数年前に1度だけあったそうで(吾郎:一度か)、合コンをしたことないので合コンをしてみたい作家さんが何人かいたらしく集まったわけですが、当時の佐藤さんは人と目を合わせて喋ることが出来なかったそうで、島本さんの印象では何かずっと下を向いて喋っている柄物を着た男の人がいるぐらいだったのだとかw

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 結婚マル秘エピソード

そんな二人でしたが、帰りは一緒のタクシーで、お互いに降りてみたら斜め向かいに住んでいたのが発覚。それから何度か知人らと一緒に飲んでいるうちにある日突然、他の作家さんたち何人かと一緒に食事をしている最中、「僕たち結婚することになったんです」と佐藤さんが報告。当時はつきあってはいたものの、結婚に関する記憶はなく、皆から祝福の言葉を言われるものの、島本さんは何が何だかわからずにキョトンと。佐藤さん曰く、島本さんが結婚に関することを言ったと言い張るものの、島本さんは覚えもなく、よくわからないうちに結婚することになっていたそうです。

吾郎「きっと島本さん、酔ってたんですよ」

ただし、始まりが始まりだったせいか、一度は離婚。離れて何年かしたころに、夫との生活にあの人が私が作家であるということに一番理解があったことに思い至り、紆余曲折の末に復縁に至ったそうです。

 

f:id:kei561208:20180622175426p:plain 山田くんの消しゴムハンコ 

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⇒『ゴロウ・デラックス』を通じて西加奈子さんと出会い、そしてお花見の会に誘われ、気軽に応じた結果、色んな作家さんたちとの交流がより広がっていった吾郎さん。それもまた吾郎さんにとっての新しい世界の一つだったでしょうし、より稲垣吾郎という人を深めてくれるものの一つになったのだと思うと、こうやってちらりとですがその世界を垣間見ることが出来て嬉しいです。『ゴロウ・デラックス』という番組と出会えて吾郎さん本当に良かったなと思いますし、だからこそ、大切に守っていきたいとも改めて思います。

 

 

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