『アマゾンの料理人』と『ゴロウ・デラックス』
2018年5月24日放送の『ゴロウ・デラックス』第298回目のゲストはアマゾンの料理に魅了された男こと、太田哲雄さん(38歳)今、そのアマゾンが世界で最先端の美食の地として注目を集めているのです。
昨年の「世界のベストレストラン」TOP10には、アマゾンが広がる中南米のペルーのレストランが2つもランクイン。ちなみに日本からは18位に「Narisawa」が。
1. 『Eleven Madison Park』アメリカ・ニューヨーク州・ニューヨーク
2. 『Osteria Francescana』イタリア・モデナ
3. 『El Celler de Can Roca』スペイン・ジローナ
4. 『Mirazur』 フランス・マントン
5. 『Central』ペルー・リマ
6. 『Asador Etxebarri』スペイン・バスク
7. 『Gaggan』タイ・バンコク
8. 『Maido』ペルー・リマ
9. 『Mugaritz, スペイン・エレンテリア
10. 『Steirereck』オーストリア・ウィーン
そんなアマゾンには500万を超える多種多様な生物が存在。魚は4,500種類以上、果物も3,000種類以上と「食材の宝庫」と呼ばれているのです。そんなアマゾンには今をときめく日本のシェフ(アジアのベストレストラン50で3位「フロリレージュ」の川手寛康さん、三ツ星を獲得、京都の老舗料亭「菊乃井」の 村田吉弘さん)も大注目。
今夜のゲストの太田さんは輝かしい経歴をお持ちで、
この経歴を見た吾郎さんも"ミラノの大富豪マダムになりたい"と言ったところで、今夜の課題図書は、
アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所
- 作者: 太田哲雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一流レストランを渡り歩いてきた太田さんがなぜアマゾンに魅了されたのか、該当箇所を吾郎さんが朗読。
かつては僕も、最先端のクリエイティブな料理に憧れた。
スペインの「エル・ブジ」で修行もしたし、ミシュランの星付きの店をすごいと思う感覚もあった。
だけど、アマゾンに通うようになって価値観が大きく変わった。
そこでの暮らしは、野性的、イコール野蛮ととられることもある。
食事でもテーブルマナーはほとんど存在せず、立ったまま手づかみでムシャムシャ食べることも多い。
だけど僕は、道に座り込んで一心不乱に骨付きチキンにかぶりつく人たちの貪欲さに、心を動かされる。
この人たちの力強さには勝てない、と思うのだ。
僕は、調理場にこもってストイックに料理を追及したいとは思わない。
料理人が主役になるような料理を作るのではなくて、料理を通じて、人と人、人と社会の関係を築いていきたいのだ」
『アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所』より一部抜粋
絶対にイイ人だと再度告げる外山さんw そして吾郎さん曰く、この文章に太田さんの生き方、料理に対する想いすべてが詰まっていると。
そんな太田さんの価値観を変えてしまったアマゾン料理を紹介します。
マタマタ*1の煮込み
アマゾンではよくカメを食べるのですが、原住民の生活がしたいと太田さんが原住民の方と生活を共にしてましたが、アマゾンは冷蔵庫、水道、ガス、電気もないため、その日、獲れたものだけを食べる生活なのです。そして太田さんが原住民の方と一緒の生活を送るようになって初めて獲ったのがこの70歳ぐらいのマタマタ。そのときはスープにして食したわけですが、味としてはスッポンに近く、より味わい深いのがマタマタ。そのマタマタを食べた結果、「70歳のパワーが自分の中に入ってきた」のに身体が驚き、全身の毛穴が開くような感じに襲われた太田さん。ちなみにアマゾン川は濁っているため、匂いとかが酷いというイメージを抱かれやすいのですが、アマゾンの食材は全然雑味がないそうです。
アマゾンのハチミツ
アマゾンの巣から直接採ったハチミツは、自分たちが普段食しているハチミツはすごくねっとりしているんだと思うぐらいにサラサラ。採れたてはすごく強いのであまり舐めすぎると興奮して眠れなくなるぐらいに栄養価たっぷり。試食した吾郎さんと外山さん曰く、甘すぎず、酸味もあって美味しいそうです。これが本物のハチミツで、アマゾンの食材は私たちが想像しているものと全然違う味わいがすると太田さん。
カピバラのスープ
日本では温泉に浸かっているイメージのある可愛らしいカピバラ*2。アマゾンでは食材として、水とカピバラと塩だけのスープですが臭みもなく、子豚に近い味がするそうです。
ちなみに太田さんが原住民の方に狩りの仕方を教わったときに、「命のやり取りを大切にしたいと。鉄砲を使うということは力で押さえつけるから、弓矢や吹き矢を使って狩りをする」と環境を守ることをすごく大切にされている方が多いのです。(吾郎:動物は人間と違って、食べる量しか狩りをしない。そういう考えでもあるのですね)
そういう意味でもアマゾンという土地は、食の大切なことに気づかせてくれる場所でもあったのです。
かつて30歳だったころ、一流レストラン『エル・ブジ』で修行をしていた太田さんでしたが……
スペイン・バルセロナの郊外にあった「世界のベストレストラン50」に4年連続で輝いた"世界一予約が取れないレストラン"(2011年7月30日閉店)
その調理方法は『分子ガストロノミー*3』という科学的なアプローチ。
出来上がる料理は革新的で、アーティスティック。
しかし太田さんはそんな最先端のレストランである違和感を感じたそうです。その違和感を感じた箇所を外山さんが朗読。
オフィスに呼ばれ、シェフから、研修をさらに半年延長しないかと提案された。
僕の契約は二〇一〇年の十二月までだったが、「エル・ブジ」は、すでに二〇一一年七月に閉店することが決定し、そのまま閉店まで研修生として仕事をしないか、ということだった。
だけど、僕の返事は、「No」。
僕はこの料理には未来がないのではないか、と薄々感じていたのだ。
最初に引っかかったのは、廃棄量の多さだ。
レストランでは、多かれ少なかれ食材を廃棄することがあるが、「エル・ブジ」のそれは尋常じゃない。
極端な例だが、サンマのある部位だけを使うために一匹仕入れて、残ったところは廃棄してしまうという具合。
にんじんだって、キューブ形に切り揃えようとすると、当然いらない部分が出る。
それらの一部を賄いに使うこともあったが、そんなものではとても追いつかない。
見た目のカッコよさをも追及したクリエイティブな料理の裏側には、こんな現実が横たわっていた」
『アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所』より一部抜粋
クリエイティブな料理がなければ料理は発展していかないため、クリエイティブな料理は必要ではあるものの、そこばかりになってしまうとバランスが崩れてしまうため、クリエイティブな料理と伝統的な料理は共存しなければならないと太田さん。
こうして太田さんはクリエイティブな料理は自分に合わないと感じ、食料の廃棄が少なく、食材が豊富なアマゾンに傾倒していき、現在はアマゾン料理の素晴らしさを伝えるべく活動をしているそうです。
太田シェフにアマゾン料理を教わろう!
「吾郎・外山のアマゾンBAN!BAN!」とタイトルコールから始まったお料理コーナー……ええ、決して他局でやっていた某お料理番組のタイトルをパクっただなんて言いませんよ、ええ。しかし、毎回思うのですが、なぜに外山さんは割烹着なのであろうか、いえ、似合っているので違和感は全然覚えませんけれどもねw
セビーチェ(魚介類のマリネ)
① 生きてるオマール海老を茹でる(外山:茹でると何色になるんだろう?→吾郎:そりゃ、赤になるでしょ)
② セビーチェを合えるジュースを作る(セロリ・生姜をスライスしたものをヒラメのだし汁と一緒にミキサーで混ぜる)
③ ヒラメをスライス
④ オマール海老にハサミを入れて包丁で真っ二つに
⑤ ヒラメを塩で味付け
⑥ レモンに手を入れて中でレモンを絞る(ペルーっぽい味になる)
⑦ 赤唐辛子をカット
⑧ ヒラメの切り身に合えたジュース、赤唐辛子、タマネギ、毛ガニ、レモンを混ぜる
⑨ 混ぜたものをオマール海老の上に豪快にかける
さらには鶏と唐辛子のペルー風シチューも教えていただき完成。
セビーチェを試食
吾郎:キレイだね。
外山:キレイ。
吾郎:大胆なんだけれど、美しい。
外山:そうですね。
(試食)
外山:どうですか?
吾郎:あ、うん。これ美味しい。不思議、何だろうこの感じ。和食っぽさもあるよね。
太田:日本人に合うと思いますね、ペルー料理は。
吾郎:そうですね、さっぱりしていて。
外山:世界各地を歩いて、アマゾンの最高な食材に出会った太田さんなんですけれども、今後やっていきたいこととか目標って何かありますか?
太田:そうですね、今後はペルー料理ってまだまだ日本に知られていないので、きちんとペルー料理を伝えていきたいなと思っています。後はカカオ農園が縁あって、知り合うことが出来たので、そのカカオ農園と料理の良い関係を作って、そのカカオを日本の多くの方たちに知っていってもらうという。
吾郎:こちらがカカオですね。
太田:はい、そうです。
太田:これカカオ豆、カカオの種を熱を加えてすり潰したものが固まったものです。チョコレートになる前です。チョコレート屋さんはこれを買って、これに加糖とか、乳脂肪分とか入れて、あのプレートにしていくんです。その前です。カカオ100%です。
吾郎:それを使ったポップコーンですか、これが。
太田:そうです、そうです。カカオの豆を入れて。私はあのイタリアのビエモンテ州でポップコーンを売ってたんですけど、そのときのポップコーンで。
吾郎:んっ!!
太田:マフィアのボスが気に入ってくれて、一切合切やってくれた。
吾郎:これね、絶対映画館で売れる。
外山:本当、美味しいです。
山田くんの消しゴムハンコ
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