【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『ていだん』と『ゴロウ・デラックス』

2018年2月15日放送の『ゴロウ・デラックス』第285回目のゲストは、女優・小林聡美さん(52歳)

2015年、映画『紙の月』(2014年公開)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど女優として活躍する傍ら、エッセイなどを中心に執筆活動も精力的に行い、これまでに13冊の本を出版。そんな小林さんの最新作が今夜の課題図書、

 

ていだん (単行本)

ていだん (単行本)

 

 

<ていだん - 鼎談 ->
三人が向かい合って話をすること広辞苑より)

 

例えば俳優の加瀬亮さんと前田敦子さんを招いた回では「俳優という職業に向き合う!」をテーマに、フードスタイリスト・飯島奈美さんと発酵の専門家である東京農業大学名誉教授の小泉武夫さんを招いた回では「発酵の不思議な魅力とは」をテーマに、小林さんが様々な世界で活躍する二人をゲストに招いて幅広いテーマについて語り合ったオフトーク満載の一冊なのです。

 

f:id:kei561208:20170523013943j:plain 課題図書『ていだん』

この『ていだん』にお招きするゲストは、お会いしたい人というよりはお会いしても大丈夫そうな人を選んだそうです。もちろん、中には初対面のゲストさんもいらっしゃいますが、その場合は性格が優しそうな人を選んだのだとか。

まずは小林さんが様々な鼎談を重ねることで感じた、「人と話すこと」について書かれた部分を吾郎さんが朗読。 

吾郎:人生すべて受け身でここまで生きてきた私にとって、鼎談の女主人をつとめることは、いきなり知らない森のトレッキングガイドをまかされるような無謀なミッションでした。
おまけに友人知人のとても少ない私には、18×2=36人ものゲストをお招きするのは至難の業で、連載存続の危機が訪れるのは時間の問題と思われました。
ではなぜ、そんな無謀な山を登り始めたのか。
それは、私の受け身気質に対するささやかな革新運動であったのかもしれません。
苦手なことにあえて飛び込んでみよう。
ただでさえ人とお会いする機会の少ない私、いろんな方のお話を聞かせていただこう。
あの方には是非お会いしたい!
そんな私の都合のいい思惑も知らず、このようなやけっぱちな企画に巻き込まれてくださった36人のゲストの皆様にはただただ感謝の言葉しかありません。

ていだん (単行本)』より一部抜粋

 

基本的に記録に残るとか、テレビに放送されるとかになると緊張してしまう小林さん。外山さんのイメージでは人とお話をちゃきちゃきするタイプに思っていたので意外だったそうですが、実際、根は気さくだとのこと。ただ、いざ注目される中で中心となってやるのは苦手だと語る小林さんに同意をし、"僕もそうです。だから僕、カメラ回ってない方が面白いですもん"と吾郎さんw 小林さんも吾郎さんもいくつもある顔の中でカメラに映るのはちゃんとしているよそ行きの自分。ただし、吾郎さん的には年齢的にもそういう部分も隠したくはないですし、出しているつもりなのだとか。

 

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そしてなぜか番組の間にジャンクションとして挟み込まれる猫の写真に"やっぱりゴロウが好き"というタイトル。小林聡美さんがゲストということもあり、あの深夜番組として人気を博した『やっぱり猫が好き』をオマージュし、ネコの写真を入れるゴロデラスタッフによる遊び心は本当に素敵です。

 

f:id:kei561208:20170523013943j:plain 年齢は重ねても中身は変わらない

吾郎さんの年齢の話から、話題は小林さんへ。

吾郎「44歳のときは小林さんはどうでした? 全体として」
小林「44歳ですか?」
吾郎「はい。年齢のこと言うのあれですけれども」
小林「そうですねえ。何してたかな。でも……そうですね、変わらず」
吾郎「この世界そうですよね。僕も10年前と今が変わってるかというと変わってないですし」
外山「……変わってないですか?」
吾郎「……いや、“おまえグループ解散しただろ”みたいな顔したでしょ。僕の中では変わってないよと。取り巻く環境は変わってますよ」
外山「すごく一般視聴者からすると、芸能界にずっといるとやっぱり嫌でもちょっと変わっちゃうんじゃないかなと思うんですよ」
吾郎「変わってない、変わってない」
小林「変わってないですよね。でも中身って変わらなくないですか? 十代の自分と」
吾郎「いや、変わってないです」
小林「変わってないですよね。嫌なこととか、好きなこととか、変わってないですもんね」
吾郎「ちょっと受け入れられることが多くなったり、我慢できるようになったり」
小林「逆に我慢できなくなったり」
吾郎「あります、あります」
小林「何か好きなこととか、基本的な価値観は10代のときと変わらないですもんね」
吾郎「価値観なんて全然変わってない」
小林「年取るとどんどん、どんどんもっとオリジナルな自分になっていくらしいですよ。わがままっていうか」
吾郎「そうですよね。でもそれってこれ(課題図書:ていだん)一貫したテーマですよね。結構」
小林「そう」
吾郎「だから結局、“素直な自分で行こう”みたいな感じなエールを下さるじゃないですか、これって」
小林「そうですね。しょうがない。自分が自分以外になれないですから」

 

加瀬亮さん、前田敦子さんと鼎談したときにも、“かれこれ37年。何周年リサイタルとかやらないから知られてないですけど(笑)。でも中身はぜんぜん変わらない……”という話に。しかし、 

小林「私的には前田さんとお話していても中身は10代だから、そんなに先輩とかっていう自覚が全然ないんですけど、やっぱり前田さんとかすごい年の…“お母さんぐらいの人と鼎談なんて何を話したらいいんだろう”みたいにすごい緊張されてたみたいな話を伺って。あそうか、確かになあと思って」
吾郎「でも、それ現場でもないですか?」
小林「あります」
吾郎「ここにも書かれてましたけど、やっぱりすごくまわりに年下の方が増えてきて、監督、下手したらプロデューサーとか。共演者も年下になってくると、ちょっとその輪に入れなくなってってしまったりとか、変に気を遣われたりとか。それすごく共感しました。読んでて」
小林「そうなんですよ。ただ、自分が若いころの先輩方もそうだったんだなあと思って。何か気さくにグイグイ行けばよかったとか思ったりとか」
吾郎「緊張して喋れなかったなあと思って」
小林「失礼かなあと思って」
吾郎「そう、それは僕も感じましたね」

 

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f:id:kei561208:20170523013943j:plain 鼎談テーマ「ひとり暮らし」 

小林「そういえばひとり暮らし皆、今しているみたいな話を何か聞いたんですけど」
吾郎「まあ、そうですね。独り者なんでね」
外山「そうですね」
小林「どんな暮らしをしてるんですか?」
吾郎「僕は男のひとり暮らしの割には何か意外とキチッとしてそうです。炊事、洗濯も苦にならないですし。ある瞬間から変わったんですけど」
小林「きちんとしたいって」
吾郎「うん。やっぱり20代のころとかは雑に生きてたんですけど、何か友達が家に遊びにきて、徹夜で僕の家を大掃除して」
小林「へええええ」
外山「へええええ」
吾郎「部屋の物を全部断捨離して、“これ吾郎、全部変えるわ。朝までに”って」
小林「それ素面で?」
吾郎「もちろん。で、部屋の配置まで全部変えて、はい」
小林「へええ、いいですねえ」
吾郎「TVから見えるコンセントとかも“これ美しくないから!”って言って。壁に穴開けて、コンセント通して」
小林「夜中に?」
吾郎「夜中に全部工事して。生活環境を一晩で変えたんですよ。それがだから要するにヒロくんなんですよ」
外山「あ、へえええ」
吾郎「僕の仲のいい友達がいるんですけど、ヒロくんっていう」
小林「それがきっかけで」
吾郎「変わりました。そこからずっとそれをキープしてます」
小林「すごい。でもほら、歳取ると自分にどんどん戻るというか」
吾郎「だからキレイに何かしたら、これじゃなきゃ気持ち悪くなってきちゃったというか」
小林「子どものときは?」
吾郎「まったく違いました」
外山「でも何かちょっと汚したりとかしますよね」
吾郎絶対しない
外山「だからそこがもう」
小林「家に帰ってくるとテーブルの上に置いた物が」
吾郎「絶対ない。出かける前に絶対なくしますね」
外山「へえええ」
吾郎「後はベッドメイキングもすごい気になるんで、ホテルみたいな状態を作っておきたい」
小林「それ自分でやるんですか?」
吾郎「朝のそれが1つのイベントですね、僕の」
小林「じゃあ結構、結婚は難しいですよね」
外山「ねええ。女性…呼んだりすることもあるでしょう? 女性を」
吾郎「まあまあ、なくはないですよね」
外山「そのときに、“コレ、汚せないわ”って内心思ってると思いますよ」
吾郎「僕もそれはちょっと……」
外山「で、やってくれるんだったらいいけど、文句言ったり(聞き取れず“あ~、ここに髪の毛が”とか言わないでしょ?」
吾郎「言わないけど、スッと拾う」
外山「やるんだあ(爆笑)」
吾郎「何、何、ダメなの? いないところでやるんだからいいじゃん」
外山「いないときにね」
吾郎「帰ってからやりますよ。いや、いいんです、いいんです、落としていいんですよ。ダメとは言ってないですよ。女性で髪の長い人が来ると、1本落ちても僕の髪の長さの3倍ぐらいあるから」
小林「確かに存在感ありますよね」
吾郎「存在感があるんですよ、1本の。嫌だなあ、O.Aされたくないなあ。イメージ悪い。いやいやいや、いいんです、いいんです。だからダメって言ってないもん」
外山「はいはい、ダメではないけど、気になるんですよね」
吾郎「気になるってこと。ベッドは絶対綺麗な方が絶対気持ちいいですから。寝るときに」
外山「じゃあ、ベッドに落ちてるってこと?」
吾郎「いやいや、それは連想。勝手に連想してるだけ。ベッドなんて落ちてたらこうやって(コロコロをする真似)やでしょ、やられてるところ見たら」
小林「いや、でも言われないんだったらねえ、全然綺麗にしてくれたほうが」
吾郎「それでいいです、それでいいです」
小林「汚すなよとか言われたら」
吾郎「絶対言わないです」
外山「小林さんの家もキレイそう」
吾郎「キチッとしてるんじゃないですか、生活が」
小林「キチッとしてるっていうのはどういう」
外山「こんなキレイじゃないかもしれないけど」
小林「うんうん、そんな病的じゃないです」
吾郎「病的!?」
小林「全然、適当ですね、自分。動物とか飼ってます? 飼ってないでしょ?」
吾郎「僕も猫、飼ってた昔。10年猫飼ってたんですけど……毛がねえ、やっぱり」
小林「そうです。動物を飼ってるとやっぱり人間の思い通りのキレイさには保てないですよね。毛がね」
吾郎「だから別に僕、猫ファンの方を敵にまわすつもりは全くないですよ。飼ってましたから。猫の味方ですから、猫飼ってましたから」
外山「わかりました」
小林「わかりました。私も猫飼ってるので、そんなに神経質にはキレイにしてないです。でも、あの忙しいときに一生懸命片そうとすると、何か余計疲れちゃうし、一区切りついたら片付けようと思うことが多いかな」
吾郎「でも、そもそもなんで散らかるんですか?」
小林(外山さんのほうにわざと顔を寄せて)……感じ悪いですねw」

  

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f:id:kei561208:20170523013943j:plain ひとり暮らしの「食事」

本の中にはひとり暮らしで困ることも。ひとりで食べる食事について語られた部分を外山さんが朗読します。 

外山:年をとればとるほど、ひとりの食事には限界があるなと思って。
ひとり分の料理って、けっこう大変。
たとえばキャベツを丸ごと1個買ったら、一気に食べなきゃいけなかったりする。
なぜ私は必死になって、キャベツの姿煮を食べつづけているんだろう、みたいな。(笑)

ていだん (単行本)』より一部抜粋

 

ちょっと切り込みはいれますが、そのまま1個分のキャベツを深鍋に入れ、ひたひたとスープで煮込むだけの料理ですが、それを聞いていいかもと思ったのか、頷く外山さんに、“健康とか気にする?”と尋ねる吾郎さん。一応、外山さんの健康法はよく食べて、よく寝るということで、外食が多いものの、たまに鍋とかは自宅で食べられるそうです。と聞き、“ちゃんと野菜入れる?”とおかんのように聞く吾郎さん。“野菜入れますよう……えのきばっかり”だから外山さんが好きだw

ちなみに小林さんは最近は手抜きをするようになり、家で食べるものは切って食べる。焼いて食べる。生で食べるとシンプル。だからというわけではありませんが、野菜にはこだわりがあって、農場から送ってもらうのを使うのだとか。ヒロくんも庭でなんでも作ってきてしまうので、例えば姫にんじん、これは葉っぱが凄く美味しい、天然のハーブだという吾郎さんに対し、“ハーブ?”とキョトン顔を披露してしまう外山さんw

小林さんがニンジンの葉っぱは揚げ物にするから始まり、“絶対、揚げ物しないでしょ”と外山さんを弄り始める吾郎さんは、“家にオイルないでしょ?”とまで言い始まる始末。外山さんの答えは“オリーブオイルにごま油。サラダ油は必要ない”というw

そんな世間話のような会話に大丈夫かと不安になる小林さんでしたが、大丈夫です。視聴者も楽しんでますからw

 

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小林「家にいるのは好きですか?」
吾郎「家にいるのは好きですけど、ずっとはいられないです」
小林「へええ」
吾郎「一人でいるのは好きなんですけど、ずっと一人ではいられない。誰かしら会いたくなりますね」
小林「ヒロくんとか?」
吾郎「そうです。家の中にいるのも、丸1日24時間はいられないです。だから、毎朝散歩には出かけます」
小林「……(苦笑)」
吾郎「お散歩しません?」
小林「します。私も歩くの大好きです。でも散歩しようと思って出掛けたりはしないですね。何か買い物のついでに、じゃあ、歩いてあそこまで遠回りして歩こうとか」
外山「小林さんは結構家にいる派ですか?」
小林「家……そうですね。まあ、私も外が嫌いじゃないですけど、結構家にいるの平気。24時間全然平気だし」
外山「ちゃんとしてますか? 家の中で」
小林「いえ、全然」
外山「パジャマみたいな」
小林「出かけないとなったら昼過ぎぐらいまでパジャマ
外山(吾郎さんを見て)ほらあ」
小林「ほらってなんですか?」
外山「この間、ジャージみたいなのでいますって言ったら“何で?”って言われたことがあって」
小林(聞き取れず)ノーリアクションだったんですか?」
吾郎「ちょっ、ちょっ、小林さんだったら、その感じも素敵だなって」
外山「ちょっと、どういうw」
吾郎「自分が今、配達のお兄さんになった気分なんです。“ピンポン♪”って部屋着の小林さんがね、ちょっとメガネとかして、ちょっとこの辺髪の毛立ってるこんな感じで出てこられたら、ちょっとドキドキしちゃうなって妄想していた今時間だったんです。白い目で見てる時間では全くなかったんですけど」
外山「普段は映画観たりとかするんですか。何をしているんですか?」
小林「家でですか。そうですね、本を読んだり、掃除したり、家にいたらね、やることは山ほどあるんですよね。気がついたところとか、なかなか出来ないところの掃除とか。家でボーッとしているってことはないですよね。何かしらやってますよね」
外山「電気とか切れてもすぐ変えます?」
小林「変えます。そのままにしてるのは気持ち悪いですね。電気……え? そのままですか?」
吾郎「そのまま?」
外山「いや、そのままじゃないですけど、ちょっと最近暗いなって思ってるところもある」
吾郎「ちょっとずつ消えてくから気づかないんでしょ。気づいたときにすんごい暗くなってるでしょ。意外とひとり暮らししてるとやることが多いってことですよね」
小林「いっぱいある」
吾郎「電球が切れてしまったりとか、ちゃんと朝ベッドメイキングしたりとか、髪の毛拾ったりとか、楽しいですね。このまま行きましょ」
小林「そうですね。体力の続く限り、ひとり暮らし頑張りましょ」

  

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吾郎「なんか大丈夫かな。変なこといっぱい言いすぎちゃったな……チャーミングに編集してください」盛り上がった内容に冷静になって反省する吾郎さん。ということでチャーミングに編集されてましたよ、吾郎さんw

 

f:id:kei561208:20170523013943j:plain 山田くんの消しゴムハンコ 

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⇒まさに課題図書である『ていだん』の面白さがぎゅっと詰まった『ゴロウ・デラックス』で、外山さんも、吾郎さんも小林さんと波長が合って、心地のよい、でも楽しい時間でした。

 

 

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