『ほん怖』稲垣吾郎特別インタビュー
それは8月17日(木)の19時30分を過ぎたころの話。
8月18日(金)『めざましテレビ』の次回予告欄に吾郎さんの名前が記載されたのは。通常は月曜日の曜日企画である「The 軽部真一」を金曜日に変更し、軽部さんと吾郎さんとで対談する形式に。もちろん、土曜日に放送される『ほんとにあった怖い話』の番宣代わりではあるとは思うものの、それだけで終わるはずはないだろうと一気に騒めきだすスマヲタ内のTwitter。
そして翌日の7時30分、その内容が放送されました。個人的には文字だけでは真意は伝わりにくいので、実際に映像で吾郎さんの目や表情などを見ていただいた上で読んでいただくのが一番だとは思います。いろいろ便利な世の中ですので、あまり大っぴらには言えませんが探せば映像はあるでしょうから、もしご覧になっていらっしゃらない方がいましたら、頑張って探してみてくださいね。
まずはコーナーに入る前の軽部さんの話から。
スタジオには軽部さんと吾郎さんが座るイスのみ。それ以外は真っ白な背景の少し緊張感が漂う中、二人が対峙する前から始まります。一旦、瞼を閉じ、自分の中にある何かを確認するかのように一つ頷いて吾郎さんは軽部さんが待つインタビュー先へと進んでいきます。
吾郎:おはようございます。
軽部:よろしくお願いします。
吾郎:よろしくお願いします。お久しぶりです。
軽部:ご無沙汰をしております。本当に久しぶりですよね。
吾郎:そうですね。スタジオにお邪魔してめざましジャンケンをやらせていただいて、生なのにかんじゃった以来かなと。
軽部:そうでしたっけw
軽部「初回放送から18年。今や夏の風物詩ともなった"ほん怖"こと"ほんとにあった怖い話"今年は手越祐也さん、杉咲花さん、野村周平さん、遠藤憲一さん、北川景子さんが一般の人が実際に体験した心霊現象を忠実に再現。稲垣さんは"ほん怖"クラブのリーダーとして、子供たちと一緒のその恐怖体験を見守ります」
実際、1999年の初回では吾郎さんはドラマ(『白昼のベル』)にも出演。今回は残念ながら海外映画準備のために不参加となってしまいましたが、初回から携わる鶴田法男監督が1999年のドラマについてツイートされていたので参照ください。
今年の『ほん怖』不参加に「残念ですが海外作品を頑張って」と暖かい言葉を頂きました。お詫びに1999年、稲垣吾郎さん主演『白昼のベル』ロケハン写真が出てきたので初公開。19日21時の新作お楽しみに😀
— 鶴田法男 (@NorioTsuruta) 2017年8月14日
鶴田法男、不参加詳細↓https://t.co/KnQuNLv4Ej#ほん怖 pic.twitter.com/GaxcuFD0nH
ありがとうございます。当時は心霊体験の再現ドラマと聞いて馬鹿にする方も多かったのですが、稲垣吾郎さんは快く引き受けてくださり十二分にこちらの意図を理解して頑張って芝居をしてくださったので今でも古びない作品になりました。
— 鶴田法男 (@NorioTsuruta) 2017年8月14日
1999年3月放映『学校の怪談 たたりスペシャル』が初めて手がけたテレビ作品でした。そして、同年8月、フジテレビ『ほん怖』の記念すべき第一弾放映。『プロローグ』(主演:池脇千鶴)、『深夜病棟』(主演:黒木瞳)、『白昼のベル』(主演:稲垣吾郎)の3話を私が演出。懐かしい😊 https://t.co/xekxMMiYuu
— 鶴田法男 (@NorioTsuruta) 2017年8月18日
その初回放送から2004年には吾郎さんが「ほん怖クラブ」館主として子供たちをナビゲートするようになり、今やフジテレビにおける夏の風物詩とも言われるようになった『ほんとにあった怖い話』
番組に関わるようになって霊に対する知識も深まってきたと語る吾郎さん。実際に十数年やってこられて、忘れられないエピソードは?と尋ねられたので答えようとした矢先、こういう話には雰囲気が大事とスタジオのライトを落とし、チープな演出にこれで話しやすくなったと言いだす軽部さん。それに対し、"逆に話の腰を折られた感じ"と即座に切り返し、なおかつ自宅の明るさはこれぐらいだから家に遊びに来る友達に"占いの館みたいだな"と言われるとオチまでつける完璧さ✨
「ほん怖」の撮影が終わった後は首の後ろが重かったり、子供たちの携帯電話が壊れたりと実際に収録に起こった現象を語る中、きちんと清く正しく生きていれば、あまり霊体験はないと吾郎さん。そして話題は「ほん怖」から吾郎さん自身へと変わります。
吾郎:まあ、それは見ている方とか、世の中的にはすごい変化だと思うので、何も変わらないよって澄ました顔をして言ってはいけないことだとは思うんですけども、うん。ただ、もちろん、あの~、今ある現実は現実なので、それを受け止めながら、うん。もちろん、前向きに。でも仕事欲は尽きることはないので、はい。やっぱり、役者の仕事は大好きなんで、ずっとやってきてることですし。役者の仕事って何かその人の本当ドキュメンタリーみたいな感じじゃないですか。ちゃんと内面が出る仕事なので、その人の"魅力"というか、"人となり"というか。やっぱりいい人間になっていかないといい仕事も出来ないですし、自分をずっと磨きながら、いい俳優になっていくことが出来ればいいなと思ってますけどね。まあ、漠然とした言い方ですけど。
軽部:大きな変化があると、稲垣吾郎さんのファンはやっぱり心配すると思うんですよ。
吾郎:もちろん、それはでも一番感じていることなので。まあ、心配をかけるというか、非常に申し訳ないことなので、やっぱり心苦しいですけど。うん、でも、これはもう……あの~、自分で決めたことですし。その現実というものは、まあ、受け止めてもらわないといけないと思いますし。でも、その心配に応えられるように。うん、皆さんの中で何か欠けてしまっているものとか、ロスしているというか、それをまた満たしていかなきゃいけないなとはもちろん思いますし、うん。こうやって本音を語らせてもらうことによって、まあ、そういうことが伝わってもらえればいいかなとは思いますけれども。
軽部:怖い。
吾郎:恐怖を追求した。怖かったです。僕、長年やっていますけど。
軽部:じゃあ、僕としてはちょっと見ないほうがいいのかもしれないぐらいの……。
吾郎:見てくれない……見てくれないんですか? お子さんが近くにいてくれたら大丈夫ですよ。
吾郎:ありがとうございます。でも、軽部さんからもすごい伝わるので。伝わるというのは応援してくださることとか、やっぱり昔からずっと見てきてくださって、このタイミングで軽部さんにインタビューしていただけることがすごくありがたいなと思いましたし、はい。僕も言いたいことが言えたというか、うれしいですね。
今回のめざましテレビへの吾郎さんがインタビューを受けたことに対する感想をいろいろとお見かけしましたが、まず個人的に言いたいのは、稲垣吾郎という人は聞かれればきちんと話す人です。それは昔から本人も語っていますし、己の発言がどう影響するかを知っている人だからこそ、己の発言に責任を負う人でもあります。だから、個人的にはそこに嘘はないと信じています。
以前にもこのブログで語りましたが、経緯はどうあれ、それぞれがそれぞれに歩むため選んだ道は、吾郎さんが語ったように彼ら自身が選んだものだと思います。そう、たとえその選べるべき手段がたった一つしかなかったとしても、最後の最後にそれを選んだのは彼ら自身、己の責任なのです。様々な受け止め方があるのは十分に理解はしていますが、そこはきちんと彼らが語る言葉として受け止めて、個々の道を歩き始めている彼らを理解し、これからの彼らを応援してほしいなと願います。
そしてフジに、めざましに色々思うところがある人が多くいらっしゃるのも理解はしていますが、それでも個人的には感謝をしています。
昨年もそうですが、今年も変わらずに『ほんとにあった怖い話』のナビゲーターとして吾郎さんを継続してくださったこと。そして今年は公式HPにギミックを仕掛け、それによって番組への興味を持ってもらうようにしたこと。放送日の2時間前のバラエティ番組『金の正解!銀の正解!』に番宣で出演させていただけたこと。そして『めざましテレビ』での軽部さんとのインタビュー、冒頭にも書きましたが本来は月曜日の曜日企画である「The 軽部真一」を放送日に合わせ、金曜日へと移動して放送してくださったこと。さらに言えば、もちろん語った内容はたくさんカットもされているでしょうし、ちょっと演出に思う部分もなきにしもあらずですが、吾郎さん自身が伝えたかっただろう言葉をきちんと放送してくださったこと。何より吾郎さんに自身の言葉で発する場を与えてくださったことに対しては感謝の言葉以外ありません。
吾郎さんのまっすぐにカメラを見つめる瞳はいつも以上に力強く、それでいて綺麗に澄んでいました。そして語る言葉もシンプルではありますが何よりも吾郎さんが語りたかっただろう心情を伝えてくれたとも思います。実際、放送を見ていた私も、心情を物語る目に、そして気持ちがこもった言葉に、改めて吾郎さんのファンで良かったと心から思いました。だからこそ、吾郎さんが望む道をこれからも歩み続けることができるよう、これまで以上に応援の声を出していかなければと改めて思います。
*1:子供との夢大陸直後の撮影