『伝えることから始めよう』と『ゴロウ・デラックス』
冒頭からいつものように両端から登場した吾郎さんに外山さん。
外山さんが“テレビショッピング、利用したことありますか?”と尋ねれば、“実家では。うちの両親が何か買った記憶はありますけどね”と吾郎さん。ちなみに外山さんは夜見ていていいなと思ったため、テレビを購入したことがあるのだとか。という導入部分を経て、本日のゲストは日本一有名な通販会社の創始者として紹介されると、「ジャ~パネット♪ ジャパネット~♪」と『ジャパネットたかた』のテーマソングとともに別場所へとカメラがズームイン。
なぜかいつもとは違った声の低さで本の紹介をする髙田さん。いつものように“ファー!!”と来ると思ったのにちょとテンションが違ったという吾郎さんと外山さんに、あれを今でも続けたら、僕の寿命は後何年しか続きませんので……と髙田さんw
ならば、なぜ通販のときにあれほどテンション高くなってしまうかといえば、伝えたい思いが強くなった結果だそうで、それを聞いた吾郎さんは“これも(本)伝えましょうよ、ちゃんと。買っていただきましょう、読んでいただきましょうよ”というわけで、改編期によるお休みも明け、2017年4月20日の2週間ぶりの放送となった『ゴロウ・デラックス』第245回目のゲストは、ジャパネットたかたの創業者である髙田 明さん(68歳)
髙田さんといえば、甲高い誰もが一度は聞いたことがある特徴的な喋り方が有名で、『ジャパネットたかた』を一代で燃焼1,500億円の大企業へとのし上げた手腕の持ち主。というわけで、本日の課題図書は、
この本は髙田さん初の自伝。どうすればお客様に商品を買っていただけるのか、およそ30年の通販生活で培ってきた「伝え方」の極意やアイデアのルーツがまとめられた1冊。
どんな仕事もそうだけれど、自分たちの仕事も伝えることが大事だと思うと答えた吾郎さんに、カメラの角度や自分の語り方をわかりやすく伝える方法を考えていくうちに、段々少しはわかるようになってきた髙田さんが、どうやって買いたくなる伝え方をしてきたのかを吾郎さんが朗読します。
そして、伝える前に“なぜ、何のために”売りたいのか、“なぜ、何のために”伝えたいのか、ということを徹底的に考えてきました。
例えば、ジャパネットたかたは、地上デジタル放送への移行前に、大画面の薄型テレビをたくさん販売しました。私はこんなふうにテレビを紹介しました。
“皆さん、42インチの大画面テレビがリビングに来たら、格好いいでしょう。オタクのリビングが一気に生まれ変わりますよ。素敵なリビングになるんです。それだけではないですよ。大きなテレビがあったら、自分の部屋にこもってゲームをしていたこどもたちがリビングに出てきて、大迫力のサッカーを観るようになりますよ。家族のコミュニケーションが変わるんです!”大画面のテレビを紹介するのに、私は機能や性能には触れませんでした。その代わりに、大きなテレビがリビングにあったら、生活がどんなふうに変わるか、お客様にとってどんなよいことがあるのかを想像してみたんです」
基本は商品の性能アップを7~8割伝え、最終的に価格の“安い”、“高い”に始終しがちだけれど、なぜ人はものを作ってきたのかといえば、人の生活を楽にするためだったり、物が生み出す幸せを髙田さんは伝えたかったのです。
髙田流伝わるショッピング
1.電子辞書編……収録数の多さが一目でわかるよう現物の辞書をディスプレイし、視聴者に見せる。さらに辞書を積み上げて見せるアドリブも……最終的には積み上げ過ぎ、バランスを崩して崩れ落ちてしまった瞬間、あまりのインパクトに注文が殺到。
2.カラオケセット編……髙田さん自らがカラオケセットを使用し、歌って楽しさをアピール。ある日、その点数が100点となり、あまりの出来事に手が震え、動揺する髙田さんのリアルな反応に大ヒット商品に。
実際、カラオケセットでは新婚の若い女性の人生を変えたこともあるのだとか。嫁ぎ先でお義母さんがなかなか喋ってくれず、ご主人が仕事に出かけてしまうと近所に知り合いもおらず、一人ぼっちにジャパネットたかたのカラオケセットを購入したところ、お義母さんが実はカラオケ好きで毎日一緒に歌うようになり、新婚生活が一気に潤うことに。そのとき髙田さんは、そうか、自分たちが売るのは単なる値段だけの価値ではないのだと気づいたのです。
元々は長崎県で小さなカメラ屋さんを経営していた髙田さん。通販を始めたきっかけは、41歳のときにラジオショッピングを初体験、5分で100万円を売ったことが始まり。当時はラジオで「1万円以上のものは目に見えないから売るのは難しい」と言われていた時代。髙田さんは大きさを伝えるにしても例えて話せば聴取者にも伝わるはずだと置き換えて、誰が聴いても伝わるように
と親切な説明の結果がきちんと売上に繋がっていったのです。
そしてより多くの人たちに商品の魅力を伝えたいからと1994年テレビショッピングをスタート、さらに総工事費数十億円をかけ、テレビスタジオを建設するというとんでもないアイデアを思いついたのです。その箇所を外山さんが朗読します。
スタジオを持つことで、早い時期の変化に即応して、ハードルの高い課題も乗り越えてくることができました。スタジオを作っていなかったら、今日佐世保に届いた商品を今日紹介できる体制もできませんでした。スタジオ作りはゼロからの出発で、反対もされましたけど、できない理由に納得することなく可能性を追い続けたからこそ成功したのだと思います。
これをやっていなかったら、今のジャパネットたかたはありません」
たとえばパソコンが出たとき、4ヶ月に1回新商品は変わるのに外部に番組を依頼し、作るには編集なども含めて2ヶ月はかかってしまうため、番組が放送されるころには新商品ではなくなってしまう弊害があり、このままではダメだとスピード感を活かすためには自社でスタジオを作るしかないと思い至ったのです。そのときの詳細については、下記の記事で詳しく語られていますので、よろしければご覧ください。
長崎県佐世保市にある「ジャパネットたかた」本社に『ゴロウ・デラックス』のカメラが潜入。1Fには「IHジャー炊飯器」の30万台突破記念としてメーカーより贈られた黄金のIH炊飯ジャーが、同じく10万台突破記念の黄金の体重計、東芝さんによる200万台記念突破による髙田さんのキャラクターをスワロフスキーでデコッた掃除機などが展示されています。それを見た吾郎さんが良いなあ、買えないかなといえば、髙田さん曰く相談に乗りますよと。果たして本当に相談したのか、興味が募りますw
本社内のスタジオでは1フロアに和室、洋室などコーナー、コーナーに適した7つのセットがあり、カンペ・台本は一切なし。自分たちの言葉で喋られるよう、また生放送のために喋りながら別セットに移動したりとかなり大変。これは実際に携わる吾郎さんや外山さんのほうがその大変さは理解できるのかもしれません。お二人とも見ながら凄い、大変と感想を述べていました。
また、モニターにはリアルタイムで受注の状況を表示するデータまで載っているのです。MC役を務める方々はお客様の声が直接聞こえることにより、実際に放送にも活かされていくので大事だと答えていましたが、吾郎さんが語ったように同じ視聴者に伝えるお仕事ではあるものの、またちょっとその働きは違うのかもしれません。
これまで売れた中で一番高かったのは電気自動車の280万円。テレビショッピングで伝えるときには燃費が安い、そして音が静かだと伝えたところ、お豆腐屋さんや新聞屋さんにすごく売れたそうです。やはり商品をどれだけ知り、どういう提案をしていくかで商品の伝わり方は変わりますし、市場の動きも変わっていくので大変ですが、同時に自身の力によって変わっていく様は楽しいと思います。
というわけで、今回は特別企画、髙田さんの1年ぶりの実演ということでジャパネットたかたならぬ“Goronet TAKATA”にてボイスレコーダーを販売することに(体で)
吾郎さんは取材のときに使われるほうで、外山さんは会議などで使用するボイスレコーダー。ただし、今回の髙田さんは高齢化社会ということでメモ代わりの商品としてボイスレコーダーを提案することに。思いついたときにメモ帳、ペンを探し、書くよりは手元にボイスレコーダーがあればボタン1つで録音、再生ができると紹介したところ、シニアの方から圧倒的に注文が殺到したのだとか。そこで髙田さんに軽さを表現してくださいと言われ、ふわん、ふわんしながら“軽い、軽~い♪”と表現する吾郎さんにばっさり“下手です”と切り捨てる髙田さんw 軽さを表現するなら指先で持ち、その軽さを見せるのが一番と。そんな吾郎さんは販売員としての素質があるのかと問う外山さんに、“表情の中に心が出られる方ですから、ショッピングは100%向いています”と社交辞令だとは思いますが、言ってくださった髙田さん。“お仕事に困ったときにはよろしくお願いします”と返す吾郎さんが最高です♡
最後に髙田さんが『ゴロウ・デラックス』に出演し、感じた共通点を語ってくださいましたので、こちらに記載しておきます。
そして恒例の山田くんによる消しゴムハンコでは、
テレビショッピングでカラオケを披露、100点に思わず手が震えてしまった髙田さんの姿がw
7年目に突入した『ゴロウ・デラックス』も相変わらず素敵な、素晴らしい内容に充実した30分でした。というわけで、公式HPにも番組の感想をお願いします⇒『ゴロウ・デラックス』ご意見・ご感想大募集!| TBS