【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

映画『少女』公開日までの流れと感想

2017年4月5日(水)に発売された映画『少女』のDVD&Blu-ray。  

少女 Blu-ray特別版

少女 Blu-ray特別版

 

ようやくDVDを観たので、特別版にある“メイキング オブ 少女”を資料代わりに映画のクランクインからクランクアップ、そして公開までの流れを吾郎さん中心にまとめ、最後に改めて感想を残そうと思います(流れ不要、感想のみ読みたい方はこちらへ

なお、役柄や物語等ネタばれに触れますので、まだ映画を観ていない、これからDVDを堪能する予定だという方はこの先の閲覧にご注意ください。

 

■2015年10月19日(月)映画クランクイン初日※“メイキング オブ 少女”より

場所:早稲田奉仕園スコットホール

撮影シーン #1 桜川女学院高校・講堂の壇上……新宿区にある赤レンガと落ち着いた内容の雰囲気、音響効果の良さが特徴的なホールにて、映画の冒頭となる女子高生たちのシーンを撮影。

kensetsunewspickup.blogspot.jp 

 

ちなみに吾郎さんが映画「少女」にクランクインする前のスケジュールですが、グループとしての活動はもちろんのこと、個人で舞台『No.9 - 不滅の旋律 -』の主役であるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン役を東京公演(赤坂ACTシアター)で2015年10月10日(土)から10月25日(日)までを、そして大阪公演(オリックス劇場)で2015年10月31日(土)から2015年11月3日(火・祝)と演じ、多忙な日々を送っていました。

 

 

2015年11月6日(金)稲垣吾郎クランクイン※“メイキング オブ 少女”より

場所:愛知県蒲郡市竹島

役柄は特別養護老人ホーム、シルバーシャトーに勤務する中肉中背の中年男性(本名:高雄孝夫)で、ボランティアでやってきた敦子(山本美月役)におっさんと呼ばれる。口数は少なく暗い性格、文学を好むバツイチ。

撮影シーン #111(現代)海のほとり(夜)……映画では花火を観ているシーンだが、当然ながら打ち上げる花火はなく、後から合成で追加。何もない状態での撮影でした。

 

 

この撮影が始まったと思われる2015年11月6日(金)17時30分頃から24時頃にかけ、花火大会ということで多数のエキストラを募集し、大々的な撮影を行っていたのもあり、Twitter上で愛知県蒲郡市竹島に本田翼さん、山本美月さん、そして吾郎さんの三人が撮影でいると騒がれ始める。

しかし、当初はエキストラで参加された方曰く、『高校生』という映画だと噂でした。

 

 

■2015年11月8日(日)高雄宅アパート※“メイキング オブ 少女”より

場所:愛知県豊橋市

吾郎さんの姿は見えないものの、高雄宅のアパートに由紀が敦子をモデルとして書き、そして高校教師の小倉によって盗作され、新人文学賞を受賞した「ヨルの綱渡り」が掲載されている雑誌を敦子が一人部屋で読むシーン。

映画の初日舞台挨拶にて吾郎さんとの共演であまり会話ができなかったという話から、“山本が、あるシーンで稲垣と共演したことについて「何テイクもかかって。でも、ずっと付き合ってくれたんです。ありがとうございます」と振り返ると、稲垣は照れ笑いを見せた”と言われたシーン(初日舞台挨拶記事より一部抜粋)

 

■2015年11月11日(水)特別養護老人ホーム※“メイキング オブ 少女”より

場所:豊橋市医療法人さわらび会福祉村フェリス福祉村

撮影シーン #82 シルバーシャトー・多目的ルーム……特別養護老人ホームでのシーン。 監督と打ち合わせする姿やトイレットペーパーを運ぶ際に、高雄の少し鈍臭いキャラの演出をスタッフや監督と会話しながら高雄孝夫像を作り上げていく姿が。

そして舞台のため、この後の吾郎さんは北九州公演へと移動します*1

 

 

ameblo.jp

 

※「No.9 - 不滅の旋律 -」で共演していた広澤草さんのブログにて、“愛知では、なんと「No.9」の共演者の一人とご一緒でした☆”と。

 

 

■2015年11月17日(火)S大学附属病院※“メイキング オブ 少女”より

場所:愛知県豊橋市

撮影シーン #123 S大学附属病院・病室・中……諸事情によって離婚し、別れてしまった我が子昴が入院している病院へと顔を出すものの、ナイフで刺されるシーン。

息子の昴(中村瑠輝人)と念願叶って再会するものの、息子は現在、自身が不遇にあるのはすべて父親のせいだと憤りに抱き合った瞬間を狙ってナイフで腹部を刺す。中村くんに一つ、ひとつ丁寧に状況を、昴の移りゆく感情を説明していく三島監督。

刺されるシーンではナイフの先端にスポンジをつけ、そのスポンジに血糊を含ませてシーンに挑む中村くんと吾郎さん。どう見せればより綺麗に見えるかを考え、スタッフともきちんと確認を行っていく吾郎さんにシーンは一発OK。

ちなみにこの日は原作者である湊かなえさんも初めて撮影見学に訪れており、演者さんと記念撮影をする中、吾郎さんとの2ショットでは普通に撮った後で軽く肩を抱かれて、“あ~、嬉し~♡”と満面の笑みを浮かべるとても可愛らしい姿が見られます。

 

■2015年11月20日(金)稲垣吾郎オールアップ※“メイキング オブ 少女”より

場所:愛知県豊橋市

午前中に映画「少女」のクライマックスシーンの撮影を終えた午後、吾郎さんの最後の撮影を迎える。特別養護老人ホームのシルバーシャトーから敦子と自転車を引っ張りながら帰るシーン。最後は敦子と挨拶をし、自転車で立ち去る姿でオールアップ。

 

 

三島監督曰く、『少女』では稲垣吾郎演じる高雄孝夫という男を表現するために、あえて変更した箇所があるという。

山本美月演じる敦子を高雄が送っていくシーンがあるんですね。本当は車で送るシーンだったんですけど、自転車にしたんです。稲垣さんの場合、車だと普段よく乗っているので、どうしても格好良くなってしまう。でも自転車なら乗り慣れていないだろうから、ある種、格好良く漕げないと思ったんです。その不格好さが、高雄の漕ぎ方とリンクする。それが想像できたので、あえて車から自転車に変えました」

 

f:id:kei561208:20170413074603g:plain
  

吾郎さん自身も「anan NO.2025」 のシネマナビで『少女』を紹介した際、このシーンについてコメントしています。

「僕が演じる高雄は、まあ、ダサいポロシャツ着てます(笑)

原作では自転車に乗ってないのに監督の意向で乗ることになったのは、僕が乗ると「不器用そうに見えるから、ギャップが出ていい」って。僕、普段から自転車に乗っているのに……ええ、いつも都内で無様な格好をさらしているわけですよ(笑)。いや、高雄よりは、もうちょっとマシだと思うんですけれどもね」

「anan NO.2025」稲垣吾郎シネマナビ!より一部抜粋

 

 

■2015年11月26日(木)映画クランクアップ※“メイキング オブ 少女”より

場所:不明

撮影シーン #2 (イメージ)水中【ヨルの世界】……撮影最終日、映画の中でも象徴的に挿入される登場人物が水の中で溺れる映像をダイビングスクールのプールにて撮影。 

 

なお、映画「少女」の愛知県ロケにつきましては、豊橋観光コンベンション協会による「ほの国東三河ロケ応援団」によって映像作品のロケ地をまとめた“東三河ロケーションマップ”が作成されています。ロケ地巡りの参照にどうぞ。

東三河ロケーションマップ(豊川市)

東三河ロケーションマップ(豊橋・東栄町・蒲郡・田原)

※吾郎さんの撮影で場所不明なところは2016年8月18日(木)の「稲垣吾郎のSTOP THE SMAP」で映画「少女」について問われ、“よく豊橋の方へロケに行っていたんですけど”と語っていたのを基準とし、豊橋市?と明記しています。 

 

特別版では“メイキング オブ 少女”以外もイベントで行われた“スペシャルステージ”や“完成披露舞台挨拶”、そして吾郎さんも参加した“初日舞台挨拶”や“オフィシャルインタビュー集”etcが特典映像として納められています。よろしければご購入くださいね。

 

少女 DVD特別版

少女 DVD特別版

 

 

■2016年1月5日(火)映画「少女」発表

 映画撮影をしていると情報が流れてから約2ヶ月が過ぎ、ようやく湊かなえさんの小説『少女 (双葉文庫)』が映画化、その主演の二人として本田翼さんと山本美月さんの名前が発表。ただし、この地点で判明しているのはこの両名と三島有紀子監督の名前のみ。 

eiga.com

 ■2016年3月31日(木)映画「少女」ポスタービジュアル発表

映画『少女』の公開日が2016年10月8日(土)、合わせてポスタービジュアルについても発表されるものの、いまだ吾郎さんの名前は上がらず。 

eiga.com

 ■2016年4月28日(木)映画「少女」稲垣吾郎出演発表

ようやく吾郎さんが映画「少女」に出演する情報が解禁。 さらに今、若手で人気俳優となった真剣佑くんも出演すると発表される。

www.oricon.co.jp

natalie.mu 

eiga.com

その後、映画公開前によるイベントや舞台挨拶といった先行上映会などが開催されるものの、吾郎さんの名前は時期が時期ゆえか上がらず。 

 

 

※なお、上記先行上映会、完成披露試写会応募はすでに終了済。

 

■2016年8月15日(月)稲垣吾郎、完成披露舞台挨拶登壇?

15:00頃、9月12日(月)に都内で行われる映画「少女」の完成披露試写会に吾郎さんが登壇するという記事がスポーツ報知より出るものの、該当記事はすぐに削除される。

実際、渦中の真っ只中ではあったため、様々な懸念からやむを得ない対応だったとは思いますが、ファンとしては非常に残念な結果でした。 

lineblog.me 

 

■2016年9月16日(金)映画「少女」新ポスター解禁

映画公開を3週間後に控え、新たな新ポスターが解禁。これまで白を基調としたビジュアルだったものが、よりダークな世界観を打ち出した色合いのものに変化。

www.cinemacafe.net

 

■2016年9月27日(火)稲垣吾郎、初日舞台挨拶登壇決定!

完成披露試写会から吾郎さんは映画「少女」初日舞台挨拶は無理かもしれないと半分諦めの境地にいたファンに光明が差し、無事に登壇が決定という発表が。ファンにとって喜ばしい結果は、関係者皆様方による多大なるご尽力のおかげかと。本当に感謝。

そしてにわかに慌ただしさを増すファン一同w

 

 

■2016年10月8日(土)映画「少女」初日

無事に吾郎さんも初日舞台挨拶に登壇。いつもと変わらず麗しい姿で盛り上げ役に徹し、その姿に多くのファンも安堵。

 

 

natalie.mu 

www.asahi.com

その後も第13回香港アジアン映画祭に、東京国際映画祭、そしてオーストラリアで行われた第20回日本映画祭に映画「少女」は上映されましたが、残念ながら様々な要因が重なった結果、思うように興行成績は伸びず、2016年12月9日(金)のキネカ大森での上映が日本では最後となりました。

 

■2016年12月21日(水)映画「少女」がBD&DVD化発表

news.ponycanyon.co.jp

ちなみに購入したDVDには“PONY CANYON PREMIUM”という会員登録(無料)のご案内のチラシが入っていると思います。そのJANコードは映画「少女」のみ使用された数字ですので、もしよろしければ会員登録をして、プレゼント応募してみてください。フォームには作品に対する感想を届ける項目もありますので、これも一つの応援の形になるのかもしれません。

  

- 映画「少女」あらすじ -

「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を抱える2人の女子高生がそれぞれ過ごす夏休みを描く。高校2年生の由紀と親友の敦子は、夏休み前に転校生が親友の死体を見たと話すのを聞いて以来、自分も人の死を目撃してみたいと思うように。そこで由紀は小児科病棟でボランティアをはじめ、余命わずかな少年たちと仲良くなって自らの欲望を満たそうとする。一方、陰湿ないじめに遭い生きる希望を失いかけていた敦子は、誰かの死を見れば生きる勇気を取り戻せるのではないかと考え、老人ホームでボランティアをするようになり……(映画.COMより抜粋)

 

    《映画『少女』感想》

まず最初に残念なプロモーションだったなと。

もちろん、様々な要因が重なった結果、制作側が思う形のプロモーションが満足にできなかったとは思いますが、それ以前に湊かなえさん原作の映画化ということで『告白  [DVD]』のヒットがプロモーション側の頭にあったのではないかと予告映像から推察しています。もう少しエキセントリックさを抑え、主演二人の少女による青春映画的な部分をクローズアップしていれば、今以上に若者層にも観てもらえただろうし、全年齢の方も観ることへのためらいは少なかったかもしれません。

作品自体は三島監督らしい映像の美しさが、そして音楽も素晴らしく、主演の二人もとても頑張っていたように感じられます。この年齢で困難な役に巡り合う、それは役者としてとても幸せなことだと思います。

そして、吾郎さんが演じた高雄孝夫についてはまさに物語の中での癒しであり、許しでもありました。高雄自身も含め、誰しもが闇を抱える中、それを受け入れてなおも善であり続けた高雄孝夫という役は、以前、三島監督さんが仰っていたように崇高さが必要だったろうし、吾郎さんというキャラクターが持つ説得力がきちんと高雄孝夫として活きていると感じられました(映画『少女』三島有紀子インタビュー | Filmers
改めて思うのは、本当に吾郎さんは声が良い。役によって変わる声だけでも十分に高雄孝夫らしさが感じられる柔らかさが素敵。あのこれまでにない声を発していたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとは真逆で、特に高雄宅にて部屋の中にいる敦子へと外から声をかけるシーンの柔らかさは、吾郎さんでなければ出せないのではと思うほどです。登場時間としては短いかもしれませんが、印象深い、とても素晴らしい役でしたし、演技だったと思います。

前半は時間軸が前後したり、抽象的な描写が差し込まれるためか、原作を知らないと観る側の想像力を必要以上に求める作品な気がするので好き嫌いは分かれそうです。吾郎さんがオフィシャルインタビュー集で語るように自分から飛び込んでいかねば理解しにくい映画だと思います。映画「少女」は映画でありつつも小説的な物語でした。だから昨今の本離れが激しい中、そしてわかりやすいものが提供されるテレビで慣れてしまった人には、この手の能動的な映画は難しいのだろうなとも感じますし、それが興行成績にも表れてしまったのだろうなととても残念に思います。

因果応報――――…、高雄孝夫は自ら運命を受け入れることでその理から外れた存在になれましたが、彼女たちの因果応報はこれからより本格的にエスカレートしていくでしょう。果たしてこの結論をどう捉えるのが正しいのかは、これからをどう生きていくのかによるんだろうなと考える余地が様々にある映画だったと思います。

とにかく、じわりと何かが残る素晴らしい映画でした。万人に好まれる映画とは言えませんが、観て、何かを感じ、考えるきっかけになれる映画なのではないでしょうか。

 

 

監督:三島有紀子

助監督:佐伯竜一

原作:湊かなえ

脚本:三島有紀子松井香

企画プロデューサー:森川真行/柳迫成彦

プロデューサー:石塚清和/齋藤寛朗/清家優輝

制作担当:坪内一

編集:加藤ひとみ

音楽:平本正宏

主題歌:GLIM SPANKY「闇に目を凝らせば」(Virgin Records)

出演:本田翼(桜井由紀)/山本美月(草野敦子)/真剣佑(牧野光)/佐藤玲(滝沢紫織)/児嶋一哉(小倉一樹)/稲垣吾郎(高雄孝夫)/他

配給:東映(2015年)

制作国:日本

上映時間:119分

 

 


『少女』予告編


GLIM SPANKY -「闇に目を凝らせば」Music Video (Short ver.)

 

f:id:kei561208:20170413074603g:plain

*1:“メイキング オブ 少女”によると次に吾郎さんが出演するシーンは「No.9 - 不滅の旋律 -」の北九州公演が終了した後の11月17日(火)になっていますが、Twitter上では11月13日(金)にも豊橋市内で吾郎さんが撮影していたというツイートあり(13日(金)の舞台は18:00開演)