【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『銀婚式』と『ゴロウ・デラックス』

2017年2月9日放送の『ゴロウ・デラックス』第237回目のゲストは、人気アイドルから一転、由緒正しい歌舞伎界の名門に嫁がれた梨園の奥様でもある三田寛子さん(51歳)

冒頭では梨園の奥様とお話しする機会はないと言いつつ、外山さんに向かって“絶対できないよね”と何気に酷いことを言う吾郎さんw

外山さんも“聞くまでもないでしょう”と笑っていますが、実は江戸末期に創業した和菓子屋さんのお嬢様。場合によっては梨園ほどとは言いませんが、婿を取って着物を着て、それなりに忙しい日々を送っていた可能性はありますけどね。

三田さんは1981年にTBSドラマ「2年B組 仙八先生」の生徒役で芸能界デビュー。

翌年の1982年には「駈けてきた処女(おとめ)」(作詞:阿木燿子、作曲:井上陽水)で歌手デビュー。同期は小泉今日子さん、堀ちえみさん、松本伊代さん、中森明菜さん、早見優さん、石川秀美さん、シブがき隊など「花の82年組」と呼ばれ、アイドルブームを巻き起こしました。そんな三田さんですが1991年には中村橋之助さん(現・八代目中村芝翫)と結婚。将来の歌舞伎役者となる男児を3人もうけ、成駒屋を影で支える梨園の妻に。そんな三田さんの本日の課題図書は、

 

銀婚式

銀婚式

 

ご自身が50歳、そして結婚生活25周年、さらに夫と息子3人が歌舞伎界史上初「親子4人同時襲名」という節目を迎えた今、歌舞伎界ならではのしきたり、梨園の妻として奮闘する日々と学んできた知られざる梨園の妻の世界を紹介。

とにかく課題図書を読んだ吾郎さんと外山さんのお二人は本当に大変なんだなというのが実感で、三田さんもよく歌舞伎座の前の信号を「成駒屋の若奥様は裾はだけて走り回ってらっしゃいました」と言われるほど多忙な毎日。とにかく芸能界にいたころは「学校」にいた感じで様々なことを勉強させていただき、嫁いでからは成駒屋という「会社」に入った感じで、結婚当初は新入社員の精神で一から教えていただいたと。

ただ付き合い始めた当時はまだ若手歌舞伎俳優の一人だった中村橋之助さんと簡単に結婚とは至らず。当初から結婚を前提としたお付き合いをしていたものの、一つひとつのお役をこなし、周囲に認めてもらえるまではと3年半ほどは車で旦那さんを実家の前まで送っても、婚約者として認めてもらえるまではけじめで中には入らせてもらえなかったそうです。

ようやく結婚できた後も天然キャラとしてバラエティで活躍していた三田さんは、まったく違う世界に馴染めずに苦労することに。しかし、ある日、義理の父である七代目中村芝翫からの一言で改めて梨園の妻としての自覚をすることに。吾郎さんが朗読。

 

 

結婚当初、お父様から言われた中で、今でもはっきりと心に残っているのが、「つらあかりから舞台側は役者の仕事、つらあかりから客席側はあなたの仕事です」

つらあかりというのは歌舞伎の舞台のいちばん前にある照明で、舞台と客席のちょうど境界線についています。つまり、つらあかりから向こうの舞台は、役者である男たちの仕事の場で、そこから手前の客席側は女房である女たちの仕事の場。

舞台で旦那様たちがお芝居に専念できるよう、全力を尽くしてサポートするのが裏方である妻の務めというのが、お父様の言葉に込められた意味です。

いくら主人が舞台でいい芝居をしても、客席側の私に何か粗相があれば、主人の顔や成駒屋の看板に泥を塗ることになる。お父様のその言葉を聞いた時、自分に課せられた責任の重さを実感し、妻になったのだという喜びと同時に改めて身が引き締まる思いでしたね。

                     ※「銀婚式」より一部抜粋

 

 

これまでは逆に舞台側にいた三田さん。今まで多くの人に支えてもらっていたことを今度は自分が、しかも梨園独特の女の人が男の人を支えていくことをしていかなければならない。けれど、御主人が頑張っている姿を目の当たりにすると、不思議と自分から率先と何かしてあげたい気持ちになれる。それは男尊女卑云々ではなく、愛情がなせる業なのかもしれないと三田さん。

では実際に梨園の妻たちはどうやって夫を支えているのか、その習わしを教えてもらうことに。

成駒屋流“梨園の妻”の習わし『亭主関白は当たり前』

男の人には次の日の舞台に差し障りが出るかもしれないので荷物一つ持たせず、女の人がすべてを持つ。ただしご主人は優しい人なので二人だけのときは荷物を持ってくれるものの、人目があると「君が悪く言われるといけないから、皆がいるから今は君はここで持っておいてほうがいいよ」と何かにつけ、歌舞伎が一番という姿勢なのが基本の世界。

吾郎さんがお芝居に口出しするのもダメなんですね?と尋ねると、以前知らずに口出しをしてしまったときは暗くなって変な反応だった。お義母さんに確認すると、素人の口出しは禁物といわれ、以来、一切口出しをしなくなったそうです。

成駒屋流”梨園の妻”の習わし『劇場への送迎も妻の役目』

一応、車内で朝の声出しの練習を気兼ねなくできるようにするためという理由もあっての役割。ただし、三田さんは運転が下手なため、ご主人も妻が妊娠したのを理由に自身も免許を取り、運転をするようになったと(吾郎:運転怖そう←)

とにかく梨園の妻の忙しさは尋常ではなく、1日4回は劇場へ足を運び(劇場に住んだ方がいい by外山)、ご主人の舞台が終わりなんだかんだ作業をしていると気づけば朝の3時を過ぎているため、睡眠時間は3時間ほどしかないのだとか。その寝る時間を聞き、何度となく“3時?3時ィ? え、3時?”と声裏返して驚いている吾郎さんは可愛かったです。それでも先達のお義母さんが出来ているものを自分ができませんとは言えず、やるしかないと今日まで続いた結果、昨年には「親子4人同時襲名」という一世一代の大仕事に取り組むことに。

◆関係者・ご贔屓筋への挨拶回り◆襲名記念グッズ◆季節ごとの新しい着物◆襲名披露パーティーの準備(会場の装飾・料理の選別・招待状の手配など)◆祝い幕のデザイン◆手拭・扇子などのお配り物 etc……襲名披露の準備は命を削ると言われるほど、やるべき仕事は膨大な量なのです。しかもそれが一気に4人、実際のところはてんやわんやだったのが事実と三田さん。

実際に2017年1月2日からの大阪・松竹座で行われた襲名披露公演の撮影をしていただいたところ、初日、口上に出ていただいた先輩方一人、ひとりにご挨拶を兼ねてお弁当を配ったり、劇場関係者やお客様へもご挨拶を行い、劇場のあちらこちらに移動していく三田さん。店内にある販売所では三田さんがデザインしたタオルなども販売。中でも一番重要なのが“お祝い幕”

通常は定式幕といい、三色に染めた布を縦に縫い合わせて作った引幕を使用するところを襲名披露公演では“お祝い幕”という引幕が御贔屓から贈られる。今回は子供たちとの同時襲名のため、温故知新ではないけれど古きものを守りながら新しいものも取り入れたくて、同世代でプライベートでも仲良くしているデザイナーの佐藤可士和氏にデザインの相談もして形にしてもらったと。

 

 

 

 

 

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そして今回は本のタイトルが『銀婚式』ということで、ご主人の中村芝翫さんに内緒でアンケートに答えていただきました。

 

Q.結婚生活25年を振り返り、夫だから知る妻、三田寛子さんはどんな方ですか?

A.25年前、敦子(本名)と2人で出発しました。なかなか子どもに恵まれず、妻は随分と辛い思いをした時期もありましたが、後に長男が生まれ、次男、三男と子宝に恵まれ、その子どもたちも歌舞伎俳優として舞台に立たせて頂けるようになりました。振り返れば休む間も無くずっと、走り続けながら私たちを支えてきてくれました。常に明るく、前向きな敦子にいつも助けられ、励まされています。

この襲名を機に子どもたちとともに大きく飛躍できるよう精進して参りたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

 

Q.直してほしいことはありますか?

A.特にありませんが、睡眠時間が少ないのが心配です。

特に一昨年、秋の襲名発表以降、準備に追われ、徹夜を繰り返していることも多かったようですし、公演中の今も寝ているところをあまり見ないので、とにかく健康のためにも睡眠をしっかりとってください。

 

 

吾郎さんのコメントではありませんが、 本当にお人柄が伝わる言葉です。三田さんも照れ屋で口下手な人なのであまり面と向かって言葉にしてくれない人だと仰っているので、奥様へのラブレターをこの番組がいいきっかけとなり、伝えることが出来たのかもしれません。

そして2016年の襲名披露興行前にはちょっと世間を騒がせてしまったことがありましたが、実は2016年11月16日に発売となったこの『銀婚式』の最終入稿のときだったため、改めて気持ちを引き締めるためにもあとがきだけでも書き直したそうです。ご主人の芝翫さんはより舞台の上で結果を出し、舞台で拍手してもらえる立派な役者にならなければと精進していく気持ちが強まったと気持ちを代弁されました。

最後には恒例の消しゴムハンコ。実はいつもTVで拝見しており、楽しみにしていた三田さん。今回は凛とした三田さんに成駒屋の家紋である祇園守(ぎおんまもり)を。すごく喜んでいました。

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収録の後日、三田寛子さんより吾郎さん宛にお礼状が。

 

拝啓、梅香る季節となりました。

この度は私の本をご紹介頂き、誠にありがとうございました。今日は久方ぶりにお目にかかる事ができ、益々素敵な吾郎さんと外山さんとお二人に囲まれて、時間がたつのも忘れてしまうほどに楽しいひとときでした。私も子育てがやっと落ち着いたので、吾郎さんを見習ってたくさん勉強して、いつかまたお仕事でもごいっしょが叶いますように頑張ります。

まだまだ寒さ厳しい毎日です。お風邪など召しませぬようにくれぐれもご自愛なさってくださいませ。良き春をお迎えになられます様、お祈り申し上げます。かしこ

                 三田寛子さんのお礼状より一部抜粋

 

 

というわけで、公式HPにも番組の感想をお願いします⇒『ゴロウ・デラックス』ご意見・ご感想大募集!| TBS

 

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