【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

『不機嫌な果実 第二話』感想

副題:「箱根で禁断の一夜」

第一話で夫・航一とのセックスレスな生活を解消しようと賭けに出たもののあっさりと負けてしまい、かつての男であった野村と最後の一線を越えてしまった麻也子。

帰宅後、野村との関係を後悔する麻也子は罪悪感からか、夫に激しく詰られて暴力を振るわれるという夢を見る始末。なら不倫をするなと……そんな常識的な言葉はこのドラマには不要ですw 動揺する麻也子に優しく接する航一。そんな夫の様子にやはり自身の行為に反省したのか、甲斐甲斐しく夫に接する麻也子。って、節子!! それは不倫をした夫が罪悪感から妙に優しくなって、妻に「最近、夫の様子がおかしい」と不倫がバレるパターンや。と言おうと思いましたが、その夫はすでに不倫帰りの妻の様子から不審を抱き、携帯のロックを解除して野村との不倫を知ってましたね。表面上は優しい顔を見せつつ、麻也子の知らないところですっごく冷たい目してるよ、その夫は。

だがそこが良い←

翌朝にはもう野村とは会わないと誓うのに、会社で待ち受けていた強引な野村とエレベーター内でキスをしてしまう麻也子。うん、そこはまあ、受け入れるのもありだろうけれど、その後の独白が

 

「たった1分顔をあわすために、たった1分のキスをするために会いに来てくれた。これだけで私の1週間は満たされるものになる」

 

なんというか承認欲求が強い割には、たやすく満たされるのですね、麻也子という女性は。だから、野村のように欲望が先に立つ男性にとってはわかりやすい、落としやすい相手なのかもしれません。

なんだかんだ理由はつけますが、結局、今の麻也子にとって優先されるのは自分を女として扱ってくれる男性で、残念ながらそれが夫でない以上、誰かで補わなければならない。ならば過ちを一度犯した以上、二度、三度も変わらないだろうと野村との逢瀬を重ねていくわけです。

一方の夫はといえば、優しく接する妻が自分以外の男と不貞行為を犯したことで不潔感を覚えるのか、一生懸命妻が磨いた靴を玄関出るなり執拗なほどにハンカチで靴を磨き直しています(ギャー!!)

その他にもマザコンの設定で妻の味付けに納得いかず、母からもらった佃煮があるからと妻の料理には手をつけず、母の佃煮で食事をする航一。しかし、結婚して5年が経つのに、いまだ相手が好む味付けを濃いからと作らず、きちんと話し合いもしないのに食事してくれない夫へと不満を抱く妻もどうかと思うのは個人的に夫婦生活を知らないからでしょうか?

野村と再会するための口実で入手したミハエルのピアノコンサートも、“君、興味ないでしょ”と言われ、結局は航一と母・綾子の二人が行くことになったのに、同じコンサートへ行く予定だった麻也子の上司・津久井が行けなくなったからと同行予定の友人の息子へチケットを渡してほしい頼まれてコンサート会場へ。その友人の息子が実は久美のワインバーでワインをぶっかけてしまった工藤という男で、運命の再会(w)を果たした二人はすったもんだの末、一緒のクラッシックを鑑賞することに。途中で麻也子は爆睡し(夫のセリフは正しかった)、ホールに響く鼾はかくわ、コンサート終了後に食事をと工藤に連れていかれたのはごく普通のお弁当屋さんだし、なぜか小学校に不法侵入するし、そしてピアノを二人で弾いて揚げ句に警備員の方に見つかって逃げるわで色々大忙しです(ツッコむのに)

 

 

 

うん、とりあえず第一話でも語ったように、ツッコミ前提の物語ですから、たとえ今どきの小学校はセキュリティが万全で、不法侵入者がいればたちまちバレてしまうだろうとか、窓ガラスを割らずに室内に侵入できるだなんて、どんな夢物語?だなんて正統派なツッコミはしてはいけません……アレ?

そして帰宅した麻也子に野村から今度の土曜日に箱根に行かないかと誘われる麻也子。当然断るものの、コンサートから帰ってきた航一が偶然にも土曜日大阪へ出張することになったと言われ、動揺する麻也子。

野村との誘いに……でも、やはりと揺れる麻也子をまたしても振り切らせるきっかけを作るのは航一親子です。

歌舞伎の帰りに航くんの大好きなお寿司を買ってきたとマンションにやってきた綾子。実はコンサートで男といる麻也子を見かけ、事実確認に訪れたのでしょう。尋ねられたことに上司にチケットを渡してくれと言わた流れで観ることになったと説明する麻也子。納得はするものの“誤解される行動はしない”ようにと釘を刺されます。

仕事から航一が帰り、三人で食事をすることになり、キャッキャとお寿司を交換し合って盛り上がる航一と綾子……そして手つかずの麻也子の手料理(味付け薄し)。あげくが前回プレゼントした基礎体温計はちゃんと使っているのかと問いかける綾子(暗に子どもを早く作りなさいと急かされてもいる)に、測るも何もセックスレスなのを承知の上に“どうなの?”と聞いてくる無神経な航一。疎外感からか、“やっぱり私は損をしている”と耐え切れずに野村へと誘いを了承するメールを送る麻也子。そして眠っていたはずの航一の目が開かれる(再びのギャー!!)

なんというか、吾郎さんの黒目というのは本当に不思議ですよね。普段は黒々と輝いている瞳が、そのときの感情によって光をなくしたり、鈍くなったりと色を変え、きちんと演じる役の感情そのものが宿るのですから。だからこそ、ファンの多くが吾郎さんの目の演技に惹かれるのかもしれません。

翌朝、出社する航一に出張へ出かけるのなら誘われている箱根に旅行してもいいかと尋ねる麻也子。優しく行ってくればいいと認める航一ですが、玄関のドアを閉じると冷ややかな目をして、不敵な笑みを浮かべてますよ、奥さん。

箱根へと出かけた不倫旅行、キャッキャ楽しそうな麻也子と野村(尾行する不審車あり)。しかし、二人が旅館でイチャコラしようとした矢先、野村へと執拗にかかってくる電話。出たほうがと促す麻也子に、室外へと話に出ていく野村。その矢先、麻也子にも夫、航一から電話が。旅行の様子から今、自分がいる大阪の話へ、さらにかつて一緒に大阪へと行き、迷子になった麻也子の新婚当初の楽しかったころの話へと。

  

 

自分のしていることに我に返ったのか、帰ろうとする麻也子だが、電話を終えた航一の背からはにゅるりと伸びる女の滑らかな腕が。そして振り返った航一が微笑みながらも押し倒す相手は、麻也子の親友であり、夫の不倫がきっかけで離婚し、「男なんて信用できない」と仕事に生き、そして何より不倫に嫌悪感を抱いているはずの久美で。

航一、お前もかぁぁぁぁ!!となったところで、流れる“マディウォーター”

ちなみに『金曜ナイトドラマ 不機嫌な果実|テレビ朝日』公式サイトにある第三話あらすじは、

 

これ以上、夫・航一(稲垣吾郎)を裏切ってはいけない――。不倫旅行の最中にそんな思いがこみ上げ、野村(成宮寛貴)に別れを切り出した麻也子(栗山千明)。だが、野村は一向に納得してくれない。しかも運悪く、麻也子は野村と一緒に旅から戻ってきたところを、友人の玲子(橋本マナミ)に見られてしまい…!? 一方、出張に出かけていたはずの航一はというと、あろうことか妻の友人・久美(高梨臨)と関係を持っていた! しかも、そんな自分の行為は棚に上げて調査員を雇い、麻也子の不貞行為の証拠を集めていたのだ…。

その矢先、思いもよらない最悪の事態が発生する。玲子に呼び出された麻也子が、久美の経営するワインバーへ行くと、奇しくも店内には野村の姿が! しかも、招かれざる客はまだまだ続く。航一、さらには密かに麻也子へ思いを寄せる音楽評論家・通彦(市原隼人)までもがやって来たのだ! 「私って、本当についてない…」――秘密を持つ者、秘密を知る者、秘密を知られてはいけない者が集まり、気が気でない麻也子。しかも、野村の“際どい振る舞い”が、麻也子を絶体絶命のピンチに陥れ…!

もはや泥沼化は避けられない!? 男女の欲望と理性が錯綜していく中、航一は麻也子に“あるもの”を突き付け、絶句させる――。

 

さらなる混迷の一途を辿りそうです。まさに一瞬でも目を離してしまうと展開についていくことができないジェットコースタードラマ。

あ、ちなみに野村と麻也子のラブシーンががつがつとしているのに対し、航一と久美のラブシーンは静かな、綺麗なものでした。ここは航一と野村というキャラクターが見せる性格の違いがよく表れているシーンだと思うのですが、どうやら世間は満足できなかったようで……一応、吾郎さんも求められるのであれば野村並のがつがつしたラブシーンは全然OKで、これまでもがっつり女優と絡んできた人でもあります。

かつての自分を振り返り、“昔は性の奴隷という感じだった”人ですから。うん、若い方はご存じないと思いますが、求められていない以上、演じないだけなのは主張しておこうかと思います。というか、メリハリあるからこそ野村のラブシーンも活きるわけで、登場人物全員が野村並のガツガツさを見せる不倫ドラマって濃すぎて胸やけするわ。

第二話を終え、世間一般的には登場人物全員がゲスい、共感できないといった声が聞こえてきます。まあ、間違いなく共感はできませんが、第一話で麻也子が承認欲求の強い、自己中心的な女性であることで成り立つ物語だと語りましたが、これは女性キャラクター全員に言えることなのかもしれないなと思いました。よくわからないと言われる久美も、夫に不倫された女であること、なんだかんだ不平不満を言いながらも順調な生活を営む二人と比べると離婚をさせられてしまった立場であることあたりに要因はあるんじゃないかなと。遠山玲子については潔いまでに欲望のまま振る舞う女性ですので、私がいまさら語るまでもなく、いくとこまでいってどん底に陥って始めて失ったものの大事さに気づいて絶望してほしいです←

むしろ何を考えているのかが読めないのは妻とはセックスレスを続けているのに妻の親友と関係を持ち、なおかつ不倫旅行に出かける妻の不貞行為の証拠を集めているらしい航一(愛か、愛なのか!!)と、高収入でイクメンぶりを発揮し、ひたすら妻に尽くす男であるのに妻が外出すればなくなる下着に何を着て行ったかを見当し、妻の奔放ぶりを知っているのか、愛するがゆえに殺したいほどにと呟く遠山茂こと六角精児さんではないかと。この不気味な雰囲気を発する二人に今後も期待し、望めるのであれば工藤には唯一、このドラマの一服の清涼剤的存在として清らかなままでいてほしいです(無理)

というわけで、今夜23:15(関西地区12:24、他地域によっても遅れあり)の『不機嫌な果実 第三話』に乞うご期待!!