【考える葦】

某男性アイドルグループ全活動期メンバーで、左利きな彼(稲垣吾郎)を愛でる会

レキドクと『ゴロウ・デラックス』

2016年5月5日に放送された『ゴロウ・デラックス』第204回目のゲストは現役の整形外科医でもある篠田達明さん(78歳)

1979年に“小説サンデー毎日時代小説新人賞”を受賞して作家としての活動も行うようになり、1981年には『大御所の献上品』で第85回直木賞候補(直木賞候補は他にも1985年、1986年、1987年、1991年とあり)、1983年には45歳にて『にわか産婆・漱石』で第8回歴史文学賞受賞し、以来、歴史小説、医事小説、エッセイなどを執筆しているそうです。現在は歴史の偉人たちの持病や死因を診察し、カルテを公開するレキドク本(歴史のドクター)シリーズが大人気なのだとか。例えば、

室町幕府三代将軍 足利義満の死因はインフルエンザだった。

水戸藩主・徳川光圀水戸黄門)は末期の肝硬変だった。

といった内容。そんな篠田さんをゲストに迎えた今回の課題図書は、 

 

日本史有名人の身体測定

日本史有名人の身体測定

 

 

その『日本史有名人の身体測定』を含めた“レキドク”を始めるきっかけ部分を吾郎さんが朗読します。

 

 

日本史上にあらわれた巨星たち、聖徳太子空海藤原道長源頼朝織田信長豊臣秀吉徳川家康伊達政宗、そして幕末の勝海舟西郷隆盛といった人々は、名前を耳にしただけで、たちまち容貌や体つきが目にうかぶ。
とはいえ、それは肖像画や小説の挿絵、あるいは映画や芝居、テレビドラマから得たイメージが主であって、実際の顔貌や体形、そして身長や体重までは判らない。

        『日本史有名人の身体測定』作者:篠田達明より

 

 

だからこそ、医学の目を通して実際に歴史書の記述から、残された彼らの遺品から身長や体重などがどうであったかを推察してみたそうです。

例えば、徳川9代将軍の徳川家重であれば、残された座っている肖像画より身体の前傾姿勢や表情から脳性麻痺の特徴が出ていると。

事実、太平洋戦争後に増上寺の改修に伴い、同寺境内の徳川将軍家墓所の発掘・移転が行われたそうですが、同時に歴代将軍やその家族の遺骨の調査も行なわれたらしく、埋葬された写真を見ると脳性麻痺の症状による奥歯のすり減りが見られたのだとか(他歴代将軍の遺骨には奥歯のすり減りはなし)

死因などを紐解くことで、我々にとって歴史上の人物に過ぎなかった彼らの姿が浮かび上がってきます。

そして篠田先生が課題図書で紐解いた偉人たちの姿を等身大にしたパネルがスタジオに登場。放送された範囲内での身長と体重はといえば、

福沢諭吉173cm、69kg、聖徳太子180cm、78kg、源義経147cm、47.5kg、西郷隆盛180cm、110kg、豊臣秀吉182cm、79kg(なお、オランダ商人ティチングの「日本風俗図誌」という本に秀吉は50インチ“127cm”だったという記述があったため、篠田先生は140cmと推察)、徳川家康159cm、70kgとのこと。こうやって紐解くことで、例えば豊臣秀吉が身長コンプレックスを抱いていたり、だからこそ肖像画を残すときにわざと絵師に大きく描かせたなど、顔貌や体形以外のエピソードが見えてくるのも面白い。

 

 

モナ・リザは高脂血症だった―肖像画29枚のカルテ (新潮新書)

モナ・リザは高脂血症だった―肖像画29枚のカルテ (新潮新書)

 

 

他にも“レキドク”として診察された本では、海外の名画もあり、サンドロ・ボッティチェッリによる『ヴィーナスの誕生』は外反母趾が見られるだとか、レンブラントの『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』は乳房の変形から乳がんを患っているのがうかがえるとも紹介されていました。

ちなみに吾郎さんは『ヴィーナスの誕生』ではお腹は冷えちゃいそう。顔に翳りがあるようにも感じますね。とコメントし、『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』では内臓脂肪が結構溜まっているとコメントして、篠田先生に吾郎さん、鋭いと言われていました。うん、吾郎さん呼びなんですね。

篠田先生は1937年に生まれ、小さなころから芝居が好きで役者になりたかったそうなのですが、お母様から手に職をつけなさいと言われて医学の道へと進んだそうです。いや、手に職をつけろと言われて医学って……。それがどうして作家への道へと進まれたのかといえば、同じ整形外科医(札幌医大)から作家へと転身された渡辺淳一さんの活躍から。医学と小説を結び付け、直木賞を受賞された渡辺さんに憧れを抱いたと。

渡辺淳一さんといえば、『ゴロウ・デラックス』にも出演してくださったことがあるからか、篠田先生の口から語られる渡辺さんのエピソードを聞く吾郎さんの表情がとても柔らかで懐かしそうにしていたのが印象的でした。

その後、篠田先生のご自宅の様子も撮影されたらしく、執筆部屋などを見せていただきましたが、渡辺淳一さんに小説を書くときは鉛筆を10本用意しなさいと言われたことを今も守っているのですが、執筆活動がノッているときにその10本のえんぴつが丸くなり、削るために手が止まってしまうのを危惧していくうちに本数が増え、今では段ボールの中に大量の鉛筆が貯まるというなかなかにチャーミングな部分もみえたりして。

そして吾郎さんから今後はどういったものをと尋ねられ、バッハ、ヘンデルグルックハイドンモーツァルトベートーヴェンウェーバーロッシーニ……といったまだ手をつけていない西洋の音楽家を診察してみたいと。クラシック好きな吾郎さんも出てくる名前に興味があると答えていましたので、ぜひ、今度は西洋の音楽家のレキドク本のゲストとして演していただきたいものです。

最後に恒例となった山田くんの消しゴムはんこは、パネルとなった歴史上の人物が聴診器をあてた篠田先生の診察を待って列をなすという実に可愛らしいハンコでした。

山田くんは消しゴムはんこの腕前もですが、構図も段々と上手になっていくので、本当にいずれ個展を開くとか、『ゴロウ・デラックス消しゴムはんことして出版してゲストに番組に出演するとか、そういう日が来ると良いなあ。

 

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